猫を抱いて象と泳ぐ

著者 :
  • 文藝春秋 (2009年1月9日発売)
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本棚登録 : 4264
感想 : 779
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或るチェスプレイヤーの生涯を描いた作品。
チェスの知識ゼロでも、なんとかなる?
哀愁漂う優しい物語。

チェスのことは、全くわかりません!笑
なので、チェスの動きの描写に対しては「あー駒が、升のどこかに動いたんだなー」ぐらいにしか思えませんでした。。
チェス盤と駒の動きを想像できたら、もっと感動できる場面もあったんだろうな〜と思うと、ちょっと残念。

でも、この本に惹かれたのは『物語の温かさ』です。
主人公の大切な人や物事を失くしながらも、その人・物からもらった思い出や教えが主人公を守ってくれる。
その哀愁と温度が心地よかったです。
失くした時にトラウマを背負うけれど、心に残るのは傷だけではない。
その人の声や思い出、空間の匂いとか、そういうものを感じた時って、なぜか温かい気持ちになるんですよね。
そういう気持ちを、物語と共有できた事が嬉しかったです。

甘いお菓子と温かい飲み物をお供にしたい物語。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年11月21日
読了日 : 2022年11月21日
本棚登録日 : 2022年11月21日

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