図書館の神様

著者 :
  • マガジンハウス (2003年12月18日発売)
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本棚登録 : 3948
感想 : 712
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子供の頃から清く正しく生きてきた主人公の清。
バレーボールに打ち込み、キャプテンとしてチームを引っ張ってきた中、厳しく叱責したメンバーが自殺してしまう。
そこからバレーをやめ、無気力に流されるまま国語講師になり、バレー部の顧問と思いきや文芸部の顧問を任される。
そこで出会った生徒との関わりの中で少しずつ自分というものを見つめ直し、再生していく物語。
清の弟くんと文芸部の垣内くんが良い!
弟くんの「きっぱりさっぱりするのは楽じゃん。そうしてれば、正しいって思えるし、実際間違いを起こさない。だけどさ、正しいことが全てじゃないし、姉ちゃんが正しいって思うことが、いつも世の中の正しさと一致するわけでもないからね」っていうセリフと垣内くんの卒業前の最後のスピーチでの「文学を通せば、何年も前に生きてた人と同じものを見れるんだ。見ず知らずの女の人に恋することだってできる。自分の中のものを切り出してくることだってできる。とにかくそこにいながらにして、たいていのことができてしまう。のび太はタイムマシーンに乗って時代を超えて、どこでもドアで世界を回る。マゼランは船で、ライト兄弟は飛行機で新しい世界に飛んでいく。僕は本を開いてそれをする。」の二つのセリフが私の心に刺さりました。思わず写メったもん。
そして最後の手紙の部分でもう完璧泣きました。
読みやすくて優しい物語でした。オススメ!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2024年1月7日
読了日 : 2024年1月7日
本棚登録日 : 2024年1月7日

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