悪人海岸探偵局 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (1990年7月20日発売)
3.24
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感想 : 8
3

大沢在昌の連作ミステリ短篇集『悪人海岸探偵局』を読みました。
大沢在昌は、昨年7月に読んだ『生贄のマチ 特殊捜査班カルテット』以来なので半年振りですね。

-----story-------------
元しがないビーチボーイの俺が、私立探偵事務所を開いたのは2年前。
でっかい図体と腕っぷしの強さ、土地カンと顔の広さを頼りに始められる商売はこんなものしかなかったのだ。
俺には一つのモットーがある。
“気に入った女の子には熱いオンリップのキッスを、気に入らえね野郎には固いオングランドのキッスを”。
幸いここは名うての悪人海岸、事件にことかくわけはない。
ライト感覚のハードボイルド連作集。
(解説・藤田宜永)
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1983年(昭和58年)から1985年(昭和60年)に、集英社が発行する男性向け週刊誌『週刊プレイボーイ』に発表された作品… 「気に入った女の子には熱いオンリップのキッスを、気に入らえね野郎には固いオングランドのキッスを」をモットーとする"キッスのシロー"こと私立探偵・木須志郎(きすしろう)が活躍するライトな感覚で読めるハードボイルド作品でしたね。

 ■和製探偵地位向上委員
 ■身・代・り
 ■闘士の血
 ■幽霊
 ■黒猫
 ■人形の涙
 ■解説 藤田宜永

ここはギャルとギャングが溢れかえる悪人海岸(バッドガイビーチ)… 腕っ節と度胸を武器にする私立探偵・木須志郎のもとを、つぎつぎと依頼人が訪れる、、、

「気にいった女の子には熱いオンリップのキッスを、気にいらねえ野郎には固いオングラウンドのキッスを」がモットーの「キッスのシロー」は、悪いヤツには滅法強いが、お色気と情にはとことんもろい… はてさて事件は解決するのか。

ギャルとギャングが入り乱れる悪人海岸を、キザな私立探偵シローが、オンボロ車(古いフェアレディ)でつっ走る… 痛快なハードボイルド連作集。

ライトな感覚で読めるユーモアたっぷりのハードボイルド作品… 半熟卵のような固ゆで卵!? 何だか矛盾している感じですが、でも、まさにそんな印象の作品でした、、、

堅苦しくなく、読みやすいハードボイルドって感じですかね… 昭和の香りが漂っているところも好みでしたね。

ゾクっとさせられる結末の仕掛けが印象的な『幽霊』がイチバン好みかな… 本シリーズは、本作品のみのようなので、ちょっと残念ですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: <読む>ミステリ(国内)
感想投稿日 : 2023年1月9日
読了日 : 2023年1月9日
本棚登録日 : 2023年1月2日

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