死ねばいいのに

著者 :
  • 講談社 (2010年5月15日発売)
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本棚登録 : 4647
感想 : 784
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「亜佐美」というヒロインを巡る連作短編集なのでしょうか。
「亜佐美」あるいは「アサミ」は、語られるだけの存在で一度も登場しません。
 最初から死んじゃってますし。誰が殺したんだって話なんですが。

一貫して登場するのは「渡会」っていうチンピラっぽいのに、
どこか誠実そうな人物で。
最初、コイツは死神かなにかで、アサミの復讐めいたことをやりにきたのかと
思ったんですが。

そうではなかったっす。

まるで聖女のようなアサミ以外は全員「死ねばいいのに」ていうか
「もう死ねや」っていうくらいの、何か唾棄すべき人たちばっかなんですけど。
でもでも、きっと自分もそうなんだわ、たぶん。

誰かのせいにして、自分は悪くないって、アサミのこと訊いてるのに
自分語りばかりする。

軸が自分の中にないと、周りまで不幸にしてしまうのかもね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館
感想投稿日 : 2021年2月16日
読了日 : 2021年2月3日
本棚登録日 : 2021年2月3日

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