キノの旅 (5) the Beautiful World (電撃文庫)
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2002年1月10日発売)
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作品のなかで、いく先々で「旅人さん」とよばれる旅行者は、たぶん放浪者だ。王子だったシズのプロフィールが、この巻(前までの巻を読んでね)までにある程度わかっているけれど、途中で入れ替わりのあったキノは、旅人になろうとして旅人になっている。つまるところ今あったところを捨て、旅にでる。旅にでるための代償は小さくはない。そして、旅にでる、ということは、当面の目的にはなっても、目的の最終地点ではない。だが、自分探しというほど簡単でもなさそうだ。物語は読みやすいが、積み重なってだんだんと輪郭がひととおりの話ではないのだ、とわかってくる。キノが、旅の途中で立ち寄る国や、出会う人もユニークという以上にどこか生々しさを感じることがある。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年12月21日
- 読了日 : 2022年12月11日
- 本棚登録日 : 2022年12月11日
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