オレたち花のバブル組 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2010年12月10日発売)
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Audible読了
キタキタ、近藤に黒鳥検査官。大和田専務、中野渡頭取。
1巻に比べてキャストが出揃ってきた分、がぜん話が盛り上がる。日曜劇場のあの顔が居並ぶ。恐るべしTBS。いかに配役がドンピシャだったかを思い知らされた。

さらに素晴らしいのはAudibleの朗読。明らかにドラマに寄せている。黒鳥なんか完璧だ。物語の内容そっちのけで空想を楽しんだ。

── 仕事は二の次で余暇を楽しめればいい。そう考えたこともある。しかし、1日の半分以上時間を費やしているものに見切りをつけるということは、人生を半分諦めることと等しい。

── たとえどんな理由で組織に振り回されようと、不貞腐れているだけ時間の無駄だ。前を見よう。歩き出せ。どこかに解決策があるはずだ。
人生は一度きりしかない。

なんの変哲もない一節ではあるが、虚飾がない分、ぶら下がりサラリーマンに深く刺さった。
大和田を追い込んだ半沢が、スケープゴートにされて出向を命じられる失意のラストシーン。

自分が所属するのは、役員や基幹職に天下りが占領している子会社だ。当然同僚の士気は低く、冗談まじりとも本気ともつかない転職話が日々飛び交う。
それでも、不貞腐れたって人生はかえって来ないのだ。
それを肝に銘じて、明日を生きよう。
周りも一緒に面白くできれば、それが一番だと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年7月31日
読了日 : 2023年7月31日
本棚登録日 : 2023年7月27日

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