これは…まさに貴方の知らない世界。(古い)
高殿円さんの作品は国税徴収官の『トッカン』の時といい、地続きの別次元へと誘ってくれる。
全くちがう業界話も魅力的。シンプルにブルジョワというだけの生活を垣間見せてくれるのも、また楽しい。
仕事柄なのか我が家は祖父の代まで外商とお付き合いがあった。孫の私は「なんでデパートの人が家に来るの?」くらしか分からなかった。お店に行けばいいのに。
今は毎日ECサイトとフリマアプリ巡回。人の勧める高いモノ。イコール無駄。それなのに口コミを一生懸命見てはポチポチ買い物をしている。そんなオンチな私には、外商に用が無いどころか入場お断りレベルなんだな。
無教養な人間からは、付加価値とかホスピタリティという言葉の方が逃げ出していってしまう。
──教養とは頭の中に詰め込んだテキストではない。
教養とはふるまい。
手間暇をかけた身なりと、正しい日本語と、落ち着き。
(抜粋)
あらま、すべてもってませんわ。
年収550万の主人公が貴族たちに求められる姿。教養に対する努力のしかたを少しばかりは見習いたい。
美意識は人を育てるものかもしれない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年1月15日
- 読了日 : 2024年1月15日
- 本棚登録日 : 2023年11月4日
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