習慣本は、出版界では汗牛充棟らしいのですが、よい勉強になりました。
習慣を変えるには第一歩からです。が、その第一歩が人間の心には恐怖になるように脳は設計されているらしいのです。それではたしかに根性論・精神論では上手く行きません。
たとえば、プロは正しいやり方とその効果を知っています。歯科医であれば、朝晩しっかりハミガキしてフロスしてうがい薬でうがいをすれば、キレイな歯を保てるし口臭にも悩まされないし、そのほか多くのベネフィットがあることを熟知してますし、そのやり方を推奨し流布につとめます。
しかし、よし、そのやり方と効果の正しさがわかったぞ!と意気込んでも患者側が実践するには難しい。朝と晩にどんな事があっても鉄の意志を貫き、毎日そのフレームワーク通りに遂行できるはずがないのです。
すなわち、正しいやり方と効果を理解するのは容易くとも、行動に移すのは難しく、継続はさらにいっそう難しい。では、どうしたらよいか。それは亀の歩み。下手くそでもいいから勇気を出して一歩踏み出す。ほんのすこしのその歩みを止めない。出来れば数週間、数ヶ月ずっと。
本書では、歯科の患者たちにフロスをたった一本の歯にやるようにすすめました。ハードルをぐんと下げたのです。そして、患者たちは、そのバカバカしい行動を実践し続け、数週間後にはキレイな歯を手にしたそうです。
これは、できる人とできない人の乖離でもあります。でも、ほんのすこしの亀の歩みによって、今までの習慣に亀裂を作り、ゆくゆくはビギナーは達人との溝を埋めることが出来るのです。
以下は、紫綬褒章を受賞した際の、俳優中井貴一さんのコメントです。
「唯一、自分で心がけてきました事は、諦めない事。必死に、一つの事を継続する。その結果が、今日のご褒美に繋がったのかと、自分の人生、間違いばかりではなかったと、安堵しております。ウイルスの蔓延により、人の心までもがウイルスに侵される事が社会に於いては、最も恐れるべき事。文化・芸術の端くれに居ります我々の仕事を通して少しでも、お客様の心を癒やし、安らぎに繋がる様、ツールはデジタル、心はアナログをモットーとし、愚直に、いつも通り生きて参りたいと思っております」
ところで、この本は、かつて僕がマシュマロで「嫌なことを乗り越えるにはどうしたらいいでしょうか?」と投げて、動画にしてもらって存在を知りました。
【我慢ゼロ】嫌なことと向き合って立ち向かう方法。苦痛なしの乗り越え方を伝授
https://www.youtube.com/watch?v=3_6Lew95e3o
そのときに僕が乗り越えたかった「嫌なこと」とは、いつまでもつきまとう過去の嫌な体験の記憶でした。
しかし、それを解くためには、前へ前へとほんの少しでも前進し、いまの習慣→生活→自分自身を変革していくことがベストであると、いまの僕は確信しています。
- 感想投稿日 : 2020年11月26日
- 読了日 : 2020年11月26日
- 本棚登録日 : 2019年4月29日
みんなの感想をみる