火車 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1998年1月30日発売)
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ジョギングしながらイヤホンでオーディブルで聴く。
風が強くて、三浦友和さんの声が風の音でかき消され、聞こえづらいところもあったが、負けないで聴いた。

ひざを撃ち抜かれリハビリで休職中の刑事が、遠縁に頼まれて失踪した婚約者を探す。失踪した女性は過去にクレジットカードによる浪費で自己破産をしていた…という話。

1992年発表とのことなので、もう30年前の小説になる。消費者金融全盛の頃。
武富士ダンサーズのセクシーなダンスと「あなたの夢が動き出す」ってCMのセリフをふと思い出した。
でも、“ご利用は計画的に”

僕はバブル後に社会に出たので、現金以外で消費をすることは、とても怖かった。
丸井とかのプラスティックのカードは便利だけど信じていなかった。

だけど、今やキャッシュレス決済が当たり前。
SuicaやPayPayが出てきてからは、現金を持ち歩きたくなくなった。
コロナでステイホームで、Amazon使えばクレジット決済が不可欠になっていくし、飲み会なければ精算で現金出す機会もない。
最近は財布の中身があまり動かなくなった。

世の中が変わって、お金のあり方も変わっていく。


「火車」は長い物語だけど、さすが宮部さん。
圧倒的な筆致力で一気に読ませる。(というか、聴かせる)
少し色褪せたかもしれないけど、まだまだ名作。 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年5月3日
読了日 : 2021年5月3日
本棚登録日 : 2021年5月2日

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