〈2019.10.26 5回目くらいの再読〉
「グレート・ギャツビー」はたぶん村上春樹さんの「ノルウェイの森」で知った小説。学生時代に野崎孝さんの訳で読んで以来、たま〜に読み返したくなる。
ギャツビーはデイジーと結ばれるという夢の実現のために人生の全てを捧げて進み続ける。
滑稽なほど純粋な男の美学を描いた儚く切ない夏の物語。
「かすみたい」な人達の中で、ギャツビーの真っ直ぐさが際立って輝いていて美しい。でも、ギャツビーがその愛を求めてやまないデイジーもただの「かす」だ。そこにこの小説の哀しさがある。
そういう女に惚れて信じて守り続けてしまう。よくある話だけど、男って馬鹿だね。
そして、やはりなんと言っても、最後の段落の美しさ。ここが歳をとるにつれ、心にしみてくるんだよね…
村上春樹翻訳版は現代的で読みやすいと思う。解説も作品に対する村上さんの愛情がたっぷりで微笑ましい。
そういえば、ギャツビーについて語るニック・キャラウェイの「やれやれ」感が、村上さんの小説の主人公っぽいなぁ、と気がついた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年10月26日
- 読了日 : 2019年10月26日
- 本棚登録日 : 2019年10月23日
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