翻訳できない世界のことば

  • 創元社 (2016年4月11日発売)
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感想 : 511
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いやぁ、おもしろい。
図書館で借りて読んだけど、購入したくなった。
人にもプレゼントしたくなる絵本。、

過去にブクログのランキングで1位になるなどして、口コミで広がったこともあるらしい。
今回どこでこの本を知ったのかは忘れてしまったけど、素晴らしい出会いに感謝。

エッカート・トールという人は「言葉は、真実を、人の心がうつしだすわずかなものに減少させてしまう」と言っている。しかし、著者はそれに賛同せず、「言葉は、わたしたちにとても多くのものを与えてくれる」と考えた。そして、この絵本が生まれた。
ユーモアの詰まった説明とかわいらしい絵、そして、言葉への愛が満ちている。キラキラ輝く言葉の玉手箱のような絵本。

「翻訳できない世界のことば」。正確には「世界中の翻訳することが少し困難なその国特有の独特な意味を持つことば」という感じか。

例えば、イタリア語の「コンムオーベレ」という言葉。「涙ぐむような物語にふれたとき、感動して胸が熱くなる」という意味の動詞。

スウェーデン語の「フィーカ」
日々の仕事の手を休め、おしゃべしたり休憩したりするため集うこと。コーヒーを飲んだりお菓子を食べたりして数時間…スウェーデンの風習だそうです。

追加でWikiで調べたら、…フィーカは「デートでないデート」としての重要な社会的機能を持つ。すなわち、「デート」に行くことは大きな出来事とされるが、「フィーカに行く」(ta en fika)ことはハードルが低くカジュアルな状況であり、それ自体が恋愛の意味を示さない。フィーカで合うことに人々が眉をつり上げることや、「カップル」と疑うことはない。
とのこと。なんだか素敵だ。

ピサンザプラ(マレー語)。
バナナを食べる所要時間…っていったい何分よ?

ポロンクセマ(フィンランド語)
トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離。…っていったい何キロよ?

最も笑ったのは、「クンマーシュペック」(ドイツ語)。
直訳すると「悲しいベーコン」。食べ過ぎが続いて太ることだそうです。

「ウブントゥ」(ズールー語)
「あなたの中に私は私の価値を見出し、私の中にあなたはあなたの価値を見出す」という意味から転じて「人のやさしさ」を意味する言葉。
→深い!確かに、「やさしさ」ってそういう意味かもしれない。

ナーズ(ウルドゥー語)
誰かに無条件に愛されることによって生まれてくる、自信と心の安定
→あ〜あ、ほしいよね、これ。
でも、欲張っちゃいけない。

こんな感じで52語。
日本の言葉も4語エントリー。
「木漏れ日」「侘び寂び」はなるほど無難なセレクション。
しかし「積読」?「ボケっと」?こういうユルいセンスもなかなかいいですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年11月28日
読了日 : 2021年11月28日
本棚登録日 : 2021年11月28日

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