孤独の発明 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1996年3月28日発売)
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本棚登録 : 1485
感想 : 86
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コロナ禍、古本屋の閉店セールでタイトルに惹かれて購入。ソーシャルディスタンス叫ばれ、人間らしいつながりを流行り病が断絶した2021年,そもそも孤独は"発明“出来るのか?と。
物語は著書の父親が逝去した家の整理より。本冒頭の写真も単なる家族写真と思っていたのは全然異なると読み進めると判る。なぜなら、その写真は切り貼りで父親が不在。即ち著者の祖父にあたる人物が切り取られ、幼い父親は犯人である祖母に抱き締められている写真だから。
犯罪被害者でもある父親はその心の傷が生涯癒されることもなく、そんな父親が親だった著書も理想の父親像を抱くことは出来ず幼い子供を残し離婚というのがなんだか毒親の呪縛を見ているようで苦しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年7月11日
読了日 : 2021年7月11日
本棚登録日 : 2021年7月11日

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