「超」文章法: 伝えたいことをどう書くか (中公新書 1662)

著者 :
  • 中央公論新社 (2002年10月25日発売)
3.36
  • (52)
  • (84)
  • (228)
  • (26)
  • (9)
本棚登録 : 1485
感想 : 124

【引用】
・つまり、目的は、「ためになり、面白く、わかりやすい」文章だ。(p.4)

・「メッセージ」とは、どうしても読者に伝えたい内容である。それは、「ひとことで言えるもの」でなければならない。文章が成功するかどうかは、八割方この段階で決まる。(p.6)

・彼(ゲオン)は、『モーツァルトとの散歩』の中で、「ゆりかごの中で詩情の道具を授かった者だけが詩を書ける」「だが、彼らは道具の使い方を学ばなかった」と言った。そして、「もし彼らが道具をこなし、磨くすべを知ったなら、精霊がそれを扱うときが必ずや来るだろう」と。(p.8)

・ある命題を「メッセージ」と言えるかどうかは、どのように判断できるか?
 第一の条件は、「ひとことで言えること」だ。(p.12)

・「書きたくてたまらない」ことは、何らかの意味での発見である。世の中で言い古されたことなら、こういう気持ちにはならない。(p.15)

・文章を書く作業は、見たまま、感じたままを書くことではない。その中から書くに値するものを抽出することだ。(p.18)

・「ピントを合わせる」を言い換えれば、「広すぎるテーマはだめだ」ということだ。(p.20)

・「見えるものの中からとくに目立つもの」を指摘するのは素人にもできる。しかし、「あって然るべきものがない」と指摘するには、対象に関する深い知識が必要である。」だから、プロにしかできない。

・キングは言う。「千ページ読んでも、人は作者が作り出した世界を去り難く、そこに生きる架空の人物と別れるのは辛い。二千ページを読み終えても、現実の世界に帰る気になれない」(p.28~29)

・物語にはストーリー展開がある。どのような登場人物が、どのような場面で何をするかだ。これは、物語の骨組みである。
 じつは、論文やエッセイにも、これと同じような「骨組み」が必要なのである。(p.54)

・一つのパラグラフに異質な内容を盛り込まない方がよい。(p.90)

・インターネット時代になって、断片的な情報はいくらでも集まるようになった。では、それらをつなげれば文章になるか?
 決してならない。重要なのは、メッセージだからだ。(p.245)

【参考文献】
・木下是雄『理科系の作文技術』(中公新書)
・スティーヴン・キング『小説作法』(アーティストハウス)
・アイザック・アシモフ『ゴールド』(早川)
・板坂元『考える技術・書く技術』(講談社現代新書)
・板坂元『続・考える技術・書く技術』(講談社現代新書)
・伊丹敬之『創造的論文の書き方』(有斐閣)
・大野晋『日本語練習帳』(岩波新書)
・澤田昭夫『論文のレトリック』(講談社学術文庫)
・篠田義明『成功する文章術』(ごま書房)
・清水幾太郎『論文の書き方』(岩波新書)
・ダ・カーポ編集部『ダ・カーポの文章上達講座』(マガジンハウス)
・中村明『悪文』(ちくま新書)
・三島由紀夫『文章読本』
・森脇逸男『書く技術』(創元社)
・赤瀬川原平『新解さんの謎』(文春文庫)
・板坂元『何を書くか、どう書くか』(カッパブックス)
・井上ひさし『自家製 文章読本』(新潮文庫)
・大野晋『日本語の文法を考える』(岩波新書)
・加島祥造『引用句辞典の話』(講談社学術文庫)
・金谷武洋『日本語に主語はいらない』(講談社選書メチエ)
・木下是雄『レポートの組み立て方』(ちくまライブラリー)
・木村泉『ワープロ作文技術』(岩波新書)
・轡田隆史『文章の技術』(三笠書房)
・ディーン・R・クーンツ『ベストセラー小説の書き方』(朝日文庫)
・講談社Web現代編集部『編集者の学校』
・齋藤美奈子『文章読本さん江』(筑摩書房)
・阪上順夫・服部一敏『辞書と頭は使いよう』(ごま書房)
・澤田昭夫『論文の書き方』(講談社学術文庫)
・島内景二『読む技法・書く技法』(講談社現代新書)
・島野功緒『誤用乱用テレビの日本語』
・ダイヤモンド社編『文章の発見』
・ダ・カーポ編集部『新・文章講座』(マガジンハウス)
・谷崎潤一郎『文章読本』(中公文庫)
・西山里見とQQQの会『辞書がこんなに面白くていいかしら』(JICC出版局)
・樋口裕一『ホンモノの文章力』(集英社新書)
・平井昌夫『文章を書く技術』(社会思想社)
・布施英利『電脳版文章読本』
・保坂弘司『レポート・小論文・卒論の書き方』(講談社学術文庫)
・本田勝一『日本語の作文技術』(朝日文庫)
・町田健『日本語のしくみがわかる本』(研究社出版)
・丸谷才一『文章読本』(中公文庫)
・宮部修『文書をダメにする三つの条件』(丸善ライブラリー)
・森沢良『ここがヘンだよ日本語練習帳』(夏目書房)
・矢野直明『情報編集の技術』(岩波アクティブ新書)
・山口文憲『読ませる技術』(マガジンハウス)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2015
感想投稿日 : 2015年2月21日
読了日 : 2015年2月21日
本棚登録日 : 2015年2月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする