沈める滝 (新潮文庫)

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感想 : 58
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初めて三島由紀夫の作品を読み、感情表現や比喩の豊かさ、独特で偏った思想をリアルに描写していることに驚いた。読み慣れない文章や馴染めない思想を理解する難しさを感じつつ、的確な言葉の使い方がとても美しいと思った。

石や鉄などの硬い無機質の物質を愛する青年は女性の無機質な部分(無感情)に惹かれる。愛を知らない男女が「人工的な愛」を生み出そうとする話。

読了後に、沈める滝という題が恐ろしく感じる。まっすぐな愛が、受け止められずに捨てられた場合、愛は歪み極端な結果を生むことになる場合があると思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年5月2日
読了日 : 2022年4月26日
本棚登録日 : 2022年4月15日

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