まさか鉄平が自殺するなんて思いもしなくて、衝撃を受けた。
(これを裏表紙のあらすじに載せる編集者の神経がわからない)
死で報いてやる! という強い気持ちの自殺なので、鉄平らしいと言えばらしいけど、やっぱりショック。
ショックというか、シェイクスピアの悲劇のようなあまりにも劇的な展開で、急に現実感が無くなった。
大介は姑息で粘着質なタイプなので、世間に堂々と顔を出していいタイプのリーダーではない。
彼は完全に組織のNo.2 が適当のタイプ。
阪神銀行の頭取で満足しとくべきだったし、その程度の器だった。
美馬を婿にもらったのが、運のつきだったのかも。
美馬は、大介を踏み台にして昇りつめていくだろう。
高須相子は、期待に反して惨めすぎる幕引きだった。
大介に自ら尊大に別れを叩きつけるかと思ったのに、向こうから別れを切り出されるという屈辱を許した挙げ句、絶対別れないと取り乱して未練たらたらとか あり得ない。
本当は妻の座と子どもが欲しかったのなら、他にやることあったでしょうに。
結局なんにも手元に残らないとか、カッコ悪すぎ。
これもちょっと、芝居がかっているように感じたかな…
元々 銀行にいいイメージがなかったのが、さらに増した。
「華麗なる一族」というのは、痛烈な皮肉なのかも。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本近代
- 感想投稿日 : 2023年6月13日
- 読了日 : 2023年6月12日
- 本棚登録日 : 2023年4月30日
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