ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス 51)

  • 白水社 (1984年5月20日発売)
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県立図書館 1951年出版
《きっかけ》
題名が興味をそそる、詩があるそうだ
アニメ「サイコパス」を見て

《内容》
主人公のコールフィールドホールデン16才
病院にて
学校を辞めた時から、恨み辛み、反感、自分のしてきたことを一人称口語的文体で吐露する話

《感想》
映画のスタンドバイミーを思わせる哀愁があった
年齢的に不安定な時期で、そもそも社会に対する不信感がある
そこへきて人間不信なことに巻き込まれる
時代背景も少なからずあるのではないかと思った
妹へは優しい
これが本当の意思のような気がする

現代でも語り継がれほど魅力的な作品ではあるものの、共感しがたく、性別の違いもあり途中から流し読みだった
ただ主人公の心が明るくなるシーンや、ライ麦のシーンとなると、今までの嘘偽りの彼ではなく、ぱっと世界が明るくなり別世界のように詩的で文学的になる
なんとも二面性をはらんでいるから不思議な作品だ
ちょっと大人びた話だから、ある程度節度を持って読んでほしい
高校生以上大人未満の人達に響き、共感するだろう

最後にサイコパスでは、社会への反感からリスペクトをこめて引用したのではないかと思った

《ライ麦のシーン抜粋》中略あり
180子どもが「ライ麦畑でつかまえて」という歌を歌っているのを見ていて胸がはれるような気がしたな
沈み込んでいた気持ちが明るくなったね
268 「それはライ麦畑で会うならばって言うのよ」「あれは詩なのよ ロバートバーンズの」妹のフィービー
「僕にはね、広いライ麦の畑やなんかがあってさ、そこで小さな子供たちが、みんなでなんかのゲームをしているとこが目に見えるんだよ
何千っていう子供達がいるんだ
大人は誰もいない、僕の他はね
僕は危ない崖の淵に立っているんだ
僕のやる仕事はね、誰でも崖から転がり落ちそうになったら、その子を捕まえることなんだ、つまり子供達は走っている時にどこを通っているかなんて見やしないだろうそんな時に僕は、どっからか、さっと飛び出して行ってその子を捕まえてやらなきゃならないんだ
一日中それだけをやってればやればいいんだな
ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ
馬鹿げていることは知っているよ
でも本当になりたいものと言ったらそれしかないね」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2023年1月12日
読了日 : 2023年1月12日
本棚登録日 : 2022年12月30日

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