ルソー作品の真贋を見極めること、勝者には「夢をみた」の所有権を譲渡すると、ティム・ブラウンと早川織絵は、伝説のバイラーに呼び出された。
勝負の内容は、がそれぞれ7章からなる物語を1日1章ずつ読み進めていき、最終日の7日目に作品の真贋を判断してもらうというもの。
勝者にはこの絵の取り扱い権利が譲渡される。
ルソーの名作をかけ、負けられない2人の戦いに火蓋が切って落とされた。
しかし同時に、2人の研究者の背後には、良からぬ思惑の入り混じった人々の影がチラつくようになる。
7章の物語には、アンリルソーの生い立ちや、「夢」のモデルになった女性のヤドヴィガ、世界的に有名なあのパブロ・ピカソが登場する。
ルソー研究者であるティムと織絵の2人は、初めて読むルソーの物語にすっかり魅了されどっぷりとはまり込んでいく。
そして物語の終盤では「夢を見た」を描いたキャンバスの下には、有名なピカソの青の時代を代表する作品が隠れているかもしれないと言う真実を知る。
両者の背後にいる人たちの思惑が見え隠れする中、ルソー研究者が出す答えとは…?
最後はあっと驚く種明かしもあって、読み応え充分な作品でした。
絵に情熱を捧げたルソーの生涯を、すべてを投げうってでも守ろうとした2人の気持ちを思うと、とても感慨深く感じます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2020年10月13日
- 読了日 : 2020年10月13日
- 本棚登録日 : 2020年10月13日
みんなの感想をみる