徹底的にシンプルなのに、読む者のリズムを知り尽くした文章と言葉選び、表現力に脱帽。
淡々とした表現と空気感の中に、著者の川上さんの心の温かみが確実に伝わってきて。
いじめのシーンではフィクションと分かっていても、腹が立つ腹が立つ。
イジメのシーン、コジマの耐えながらなぜ自分はそうするのか、何が正しいのかの言い分、僕の家庭環境、何もかも読んでいて辛すぎたけれど、読む側にめちゃくちゃ考えさせてくる(しかも多角的に!)。
さすがです。
自分とは何か、どう生きていくかの前にはどう生きてきたかがあり、何を想い行動するのが正しいと思っているのか。
相手の立場になって考えよう、というスローガンは果たして機能してゆけるものなのか。
人の数だけ物の見方はある。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年9月11日
- 読了日 : 2023年9月11日
- 本棚登録日 : 2023年9月11日
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