はじめての構造主義 (講談社現代新書)

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  • 講談社 (1988年5月18日発売)
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例えばスポーツの違いを構造主義で考えてみる。

サッカーは選手交代に人数制限がある。野球にはない。バスケットボールは人数制限がなく、さらに一度交代した選手も再投入できる。この違いはなぜだろう?

何が反則で何がそうでないかは恣意的に決まる。各競技で「選手交代」が指す意味は同じではない。

一方で「選手交代」というルールは多くの競技にある。そこにはスポーツ共通の見えない構造がある、と考えられる。

それはもしかしたら指揮権ではないか?選手と監督の二項対立。個人とチーム組織の二項対立。選手を戦術通りにプレーさせるため監督は選手交代を行う。選手交代は監督の権威を高めるためにあるのかも?

そんでもって競技ごとに選手交代の条件が違うのは、競技ごとに監督の権威を最大化するようなルール設計がされているためじゃないか?

とまあ、構造主義を使うと普段とは違うモノが見えてくる。構造主義は哲学というより、物事を多角的に見るための認知ツールと理解するのが良いのかもしれない。

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感想投稿日 : 2022年12月13日
読了日 : 2022年12月11日
本棚登録日 : 2022年11月12日

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