進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社 (2007年1月19日発売)
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本棚登録 : 4313
感想 : 374
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脳のイメージが変わる。
脳と聞くと、「コンピュータ」のような正確性と、「心」のような精神性を、漠然とイメージしていた。(双方相入れないものなのに。)

本書を読むと、正確性よりもいわば漠然性・曖昧さが脳を特徴づけていて、それは決して欠陥ではなくそれこそが人間を高尚たらしめていることがわかる。
また、心を持った人間として日々数々の判断・選択を自由意志の下で行っていると思いきや、実はそうではなく条件反射的に行なっている部分が大きいことも。意外。

そして本書を読んでなお、いや読後だからこそ残る疑問。心って結局何だろう…

そういった意味でも、「これが真実!」的な語り口ではなく、まだまだ解明できていないことだらけであることを真摯に受け止めた訥々とした運びにとても好感がもてた。
知的好奇心をくすぐられる良書。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年8月6日
読了日 : 2020年8月6日
本棚登録日 : 2020年7月26日

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