卒業 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1989年5月8日発売)
3.26
  • (514)
  • (1745)
  • (3667)
  • (734)
  • (128)
本棚登録 : 23628
感想 : 1728
3

関わった人の数だけ真実がある。
私も読み手として真実を知っているつもりでいるけど、本当は違うのかも。
何か一つの出来事にはさまざまな出来事があって、さまざまな気持ちが交差して、要因となるものが重なって、ようやく一つの結果に繋がるのに、真実は一つしかないと信じ、責任の所在を明確にしようとする。
この本の内容とは直接的ではないけど、犯罪者に対してどこまでの要因を追求して責任を問うのかって、永遠の課題を改めて考えさせてくれた気がする。
あと、自分がもし自殺した時、その原因を周りに深掘ってほしいかどうか、考えさせられた。死んだ後に詮索されるのも嫌だし、でも自分の死に何か意味があってほしいし、他殺の場合だったら犯人捕まえてほしいし。。。でも自分が守りたかった秘密は死んだ後でも知られたくないし。。。
ただ、花札の説明がすごい細かく書かれていて、なんか複雑すぎてわかりにくかった。一回読んでもそのルールを覚えていられないし。
ミステリー小説を期待して読むならあんまり評価は高くないかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年7月25日
読了日 : 2023年7月25日
本棚登録日 : 2023年7月25日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする