秘められた喜怒哀楽とともに食があり、誰かを求めることは自らの中にその誰かを閉じ込めたいという飽くなき欲なのだと感じた。腹のなかに欲望とともに閉じ込め、消えていった数多の食べ物を忘れないように。その食べ物が記憶のなかでゆっくりとばらばらになって最後には跡形もなく消えていったとしても。
様々な感情に寄り添っては、必要とあらば求められるがままに閉じ込められ、忘れられ、そういったささやかなものの儚さをわたしは感じた。
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- 感想投稿日 : 2020年9月9日
- 読了日 : 2020年9月9日
- 本棚登録日 : 2020年9月9日
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