さまよう刃 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2008年5月24日発売)
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感想 : 2028
5

「さまよう刃」 東野圭吾 さん

1.購読動機
2021年WOWOWでのドラマ化。
映画もドラマも観ていないのですが、好きな東野圭吾さんということもあり購読しました。

2.⭐️五個の理由
未成年犯罪の被害者・遺族側の視点での物語の展開であること。
被害者、警察、そして事件にかかわる周辺人物の「考え方」が描写されていること。

2004年に生まれた さまよう刃。
東野さん『天空の蜂』と同様に、
読者に対して「たちどまって考えて、、、」
と聴こえたように思えたのは私だけでしょうか?

3.本書より
「人生はチェスのようなものだ。
 動けば動くほど、敵を倒せるが、自らも様々なも   
 のを失う。」202ページ

「自分たちが正義の刃と思うものは、本当にただしいことと言えるのか?
本当に悪を断ち切る力をもっているのか?」
474ページ

4.タイトル「さまよう刃」に思う。
①被害者・遺族の刃
大切な人をなくした加害者対する途方もない憤り・刃。
加害者に向けたい気持ちと、法律との間にさまよう。
②警察の刃
被害者が加害者を殺し一転被疑者に。
法律のもと被疑者の逮捕を目指す刃。もとは被害者である事実がゆえににさまよう。
③世論の刃
1人娘を殺害され、犯人を復讐目的で殺害。
法律のもとでは被疑者に対し弁論の余地はなし。
しかし、被疑者が被害者であるがゆえに、世論がさまよう。

#東野圭吾さん好きな人とつながりたい




読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年7月10日
読了日 : 2021年7月10日
本棚登録日 : 2021年7月10日

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