対岸の彼女 角田光代著
0.2020.12.19追加
対岸の彼女。
書店に並ぶ風景を目にします。
タイトルからは、牧歌的な、平和な雰囲気が読み取れます。
しかし、内容は現実的です。
放たれるメッセージこそ静かですが、少しずつ、読者の心に楔を打ち込んできます。
対岸の彼女 という著書から、読者にとって大切なものは何か?を探す物語が始まるのかもしれません。
1.本書より抜粋
「ひとりでいるのが怖くなるたくさんの友達よりも、ひとりでいられる大切な何かに出会うことの方が大切かも。」
「人間なんだから、みんな同じなんて嘘。
みんな違う。それを受けいれて、初めて出会えているということ。
2.本書より。共感を呼ぶ風景
物語の一シーン。
①親戚づきあい
奥様が旦那さんのお母様の誕生日に毎年訪問、慶事をするというもの。
一方で、旦那は、奥様方のご両親にはそれを為さないというもの。
②共働き
子供が泣く。奥様は料理でてんてこまい。
旦那は、見ないふりで書斎に籠る、またはテレビを見る。
このシーンの描写も、読者の共感を誘うのもひとつの材料なのかもしれません。
3.人間関係への考察
わけあって、アドラー心理学をこの2年間で読んでいます。
①自己と他者の課題を分離する。
②他者の課題に介入しない。
③自己の行動をコントロールする。
感情は逃してやる。スペースをつくる。
自身を保つために、、、
4.読了して。対岸の彼女の世界観。
対岸とは、川を挟んだ向こう側です。
基本的には、こちらとは別の世界。
割り切って見ないこともできます。
でも、対岸に大切な何かがあるとき、
それは、こちら側の世界とつながります。
大切な何か?
ひとかもしれません。
いや、物かもしれません。
- 感想投稿日 : 2020年11月8日
- 読了日 : 2020年11月8日
- 本棚登録日 : 2020年11月8日
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