9月24日読了。宮崎駿の作品および彼の経歴から見えてくる、彼の思想およびアニメーションの限界について分析している本。宮崎駿については漠然と「ロリコンエロじじい」というイメージを抱いてはいたものの、その抱える理想主義が家族への嫌悪に結びついている、という指摘は鋭いと感じた。「カリオストロの城」に見られた、アクション映画の監督としての天才的な演出テクニックがその後の映画において大いに足かせになっており、観客に違和感を抱かせる要因となっているという分析も大いにうなづけるものがある。なるほどと。ただこの本の目的は宮崎駿への個人攻撃ではなく、宮崎駿自身が一番わかっているはずの彼の物語の欠陥を彼自身の限界により突破できない悲劇について明らかにすることにあるようだ。この本には書かれていないハウルやゲド戦記にしても失敗作だったわけだし。ジブリ映画はこの先どこへ向かうのだろうか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2007年9月25日
- 読了日 : 2007年9月25日
- 本棚登録日 : 2007年9月25日
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