元陸軍参謀の壱岐正の生き様を通し、シベリア抑留の苦悩、
そして再就職先での近畿商事にて熾烈な商戦の暗部を描く。
前半のの1巻・2巻で、シベリアでの強制労働、
後半の3巻・4巻で砂漠での石油開発といった、
二つの「不毛地帯」を描いている。
二つの祖国、大地の子と合わせて、山崎豊子の戦争三部作と
言われる中の一つ。沈まぬ太陽を読んでから、二つの祖国を
読んだので、次はこれでしょうということで、読み始めたもの。
かつては商社マンの必読書とも呼ばれたというこの本。
一応、俺も商社マンの端くれとしては、感じるものもありました。
繊維商社から始まった近畿商事が重工業化を図っていますが、
俺の会社も分野が違うところもあるけれど、同じような
構造を抱えています。
社内各部門での風通しがよくないところも含めて。
もちろん、壱岐の視線とまだまだペーペーの俺の視線は
違うんだけどね。
とは言え、まだまだモノを買って売ってに毛の生えた程度の
ことしか出来ていない商社マンの俺としては、
耳の痛いところもありました。
前半のシベリア抑留のところでは、ただのキーワードとして
しか知らなかったシベリア抑留のことを具体的イメージとして
知ることが出来ました。
それは中国残留日本人孤児だってそう。
旧満州に終戦時にどれだけの日本人がいて、
どのようにしてその地を追われていったのか。
その歴史の一端をしっかりと心に刻む必要があると思います。
http://teddy.blog.so-net.ne.jp/2009-01-23
- 感想投稿日 : 2010年1月17日
- 読了日 : 2010年1月17日
- 本棚登録日 : 2010年1月17日
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