「テーマ:ひまわり#3」です
ひまわりをテーマにした選書シリーズは3作品目にして現役メジャーリーガーの登場です
柚月裕子さんの『盤上の向日葵』は彼女の代表作のひとつですよね
それにしても、やっぱり柚月裕子さん読みやすいわ〜
すいすい読めるわ〜
引っかかりが全くない
そして柚月裕子さんの(ひまわりめろんが思う)最大の特徴は、時計の進め方が抜群に上手いってことですよね
プロローグの使い方と2つの時系列での情報を出す順番がめちゃくちゃ達者
老練な詐欺師ですよ
つまり餌の撒き方がめちゃくちゃ上手、気付いたら後戻り出来ないところまで誘い込まれてます
柚月裕子さんのテクニックを堪能した一冊でした
【ひまわり】はい、本作では「向日葵」というワードがなかなか出てきません
初めて出て来るのが全563ページの294ページ目
半分過ぎてます
さらに「盤上の向日葵」の意味についてはかなり終盤まで引っ張りますが、そこまでもたせられるのも、「向日葵」という言葉の持つ強さかなと感じた次第です
そして本作では「ひまわり」に万人が持つイメージのひとつが物語に重要な役割を持っています
「ひまわり」と言えば…そう!ゴッホですよね!
ゴッホの中に同居する力強さと繊細さ、そして狂気を将棋の棋士に重ねて表現してるんです
棋士とりわけ将棋に命をかけるプロ棋士や真剣師に「ひまわり」を重ねているわけです
「ひまわり」の使い方がこれまでに読んだ2作とだいぶ違いますよね
それは本来の「ひまわり」の持つイメージが「ゴッホのひまわり」となった途端に全然違うものに姿を変えちゃうってことだと思うんですよね
なんか凄いアイテムだなぁ〜って思いませんか?「ひまわり」
- 感想投稿日 : 2023年7月5日
- 読了日 : 2023年7月5日
- 本棚登録日 : 2023年7月4日
みんなの感想をみる