美丘 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2009年2月22日発売)
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本棚登録 : 7073
感想 : 705
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 人物描写がとても魅力的な本だった。美丘以外は主人公も含め凡庸で、特に直美なんて空気レベルで数合わせのようで可哀想だが、美丘は確かにいきいきとしており頁を進めるごとに彼女に惹かれていく太一に共感できる。
 あらすじは、美丘に太一が惹かれていき交際を始めるも、彼女は不治の病に侵されているというありきたりなもの。しかし、ありきたりな設定でこそ著者の力量が試されるもの。結末は予想できても涙が溢れた。戸田恵梨香が出てた若年性アルツハイマーのドラマを観ていた時も感じたが、どんどん自分が自分でなくなっていく恐怖は計り知れない。ちゃんと約束を果たした太一の深い愛情に胸を打たれた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 切ない・ハートフル・感動
感想投稿日 : 2023年2月17日
読了日 : 2023年2月17日
本棚登録日 : 2023年2月17日

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