死ねばいいのに

著者 :
  • 講談社 (2010年5月15日発売)
3.50
  • (257)
  • (637)
  • (626)
  • (179)
  • (48)
本棚登録 : 4650
感想 : 784
4

独特な文章なので最初は読みにくいかと思ったが、テンポの良さが心地よくクセになる。ほとんどの場面が会話か心の声で構成されており、情景描写はあまりなく、すごくセリフの多い会話劇を見ているような感覚になった。
わたらいけんやは独特なキャラクターで、一番の特徴は自分に対しても他人に対してもとにかく正直であるということだろうか。馬鹿正直なキャラクターが出てくる物語はよくあるけれど、大抵の場合その正直さゆえ、多少無礼でも憎めず魅力的で、読んでいてスカッとするようなことが多いが、わたらいけんやはそうではない。正直すぎて失礼で、イライラさせられる。でも言ってることは一理あることも多く、もしかして気分を害している自分がの方がおかしいのかという気持ちになってくる。
会話の中でそれぞれの抱えている秘密や死んでしまったあさみとの関係性が明らかになっていくのが興味深く、最後まで飽きずに読めた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年6月9日
読了日 : 2023年6月8日
本棚登録日 : 2023年6月6日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする