事故とか病気とか命を扱う物語は悲しくなるからちょっと苦手。
猫までも病気で死んでしまう。
抑揚がなく掴みどころもなく淡々と物語が進んでいくからつまらないのかと思いきや、読んでいると余命があと少しな気になって、日々が愛おしく思えてきた。
「好きという感情は捨てようと思っても捨てられないなら誰のものなんだろう」
「好きな人と一緒にいる何気ないひとときがどれほど大切か」
嫌いという感情も誰のものなんだろう。嫌いな人と一緒にいるひとときはなるべく過ごしたくないなと思った。
普段の景色も片山氏を通すと美しく思えた。
美しいなと思った所を一部抜粋
「疲れた太陽が、海の彼方に火照った身体を沈めようとしていた。 海は砕かれた光できらきら輝いている。」
「雨は暗い空から落ちてきて、部屋の明かりに照らし出され、再び暗闇に溶けていった。」
夕日と雨を見る時はこのことを感じながら見ると思う。
鳥は死を名付けないが1番好き。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年2月9日
- 読了日 : 2021年2月9日
- 本棚登録日 : 2021年2月9日
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