大いなる遺産(下) (新潮文庫)

  • 新潮社 (1951年11月2日発売)
3.74
  • (47)
  • (52)
  • (80)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 656
感想 : 39
5

ロンドンでいつしか放蕩な生活を送るようになったピップ。ロンドンにやって来たエステラとの再会にも心は晴れず、次第に倦んでく。やがて突然に謎の人物が目前に現れる。驚きを隠せないピップだが、次第に状況を受け入れてゆく。このあたりの描写は常に豊かなユーモアを含みながらも緊張感に溢れ、心地よいテンポで話はクライマックスへとすすんでいく。作者の貧しい者での温かいまなざしや社会への怒り、人間の強さと弱さ、そういったものが凝縮された作品だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史小説
感想投稿日 : 2011年1月24日
読了日 : 2011年1月24日
本棚登録日 : 2011年1月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする