殺人出産 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2016年8月11日発売)
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本棚登録 : 7332
感想 : 654
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「殺人出産」
人を殺したければ、10人産めば良いという世界。
読み終わった率直な感想としては「何これ?」という不可解さ。でも何か伝わってくる、命の尊さみたいなもの。
子どもをつくる行為も、人を殺す行為も、命を操っているという観点においては同じことなのかもしれない。産み人は、それをエゴのためではなく人類のために行っている。
美しい世界だと思いました。
「トリプル」
三人で恋人同士になるという世界。二股とかではなく、本当に三人でキスしたりセックスする場面は、新しいなぁと思って読みました。一対一じゃなくて、三人で付き合うことで、秩序とかが守られるのかもしれない。それはそれで良いと思うけど、セックスだけは二人でしたいなぁと思いました(笑)とにかく新しいですね。あとお母さんとの言い合いで殴りすぎw
「清潔な結婚」
タイトル通り清潔な結婚ゆえ性行為のない夫婦が子どもを望んだ場合にどうするか。性的対象の相手と結婚として適した相手が一致するとは限らないという問題を描いた小説。その問題には共感できる…けど、極めすぎていておもしろかったwてゆうかラスト、夫どうした?やっぱ嫌悪感?
「余命」
これは…すごいな。
医療が発達して死がなくなった世界では自分で死ぬ準備をしないといけない。「死」がすごく軽い感じで描かれているけど、世界から「死」がなくなったら、そんなものかもしれません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年12月25日
読了日 : 2016年12月25日
本棚登録日 : 2016年12月25日

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コメント 1件

siesta05winさんのコメント
2016/12/30

清潔な結婚。
私もラストに夫が吐いた意味がイマイチ分からず、どうした!?って思いました。
やった行為への嫌悪感なのか、自分が親になるのことを想像しての嫌悪感なのか…

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