ぎりぎり間に合って2回噺を聴いている。ただ病を得た後の晩年だったので喉の調子は良いとは言えず、やっていてご本人も不本意そうで「こんなもんじゃァねんだ、ホントのところはネ」と途中ぼやきながらの高座だったけれど、仏さんをかついでの長い道中どこをどう通っていくかという道筋をツラツラツラ~っと一息で言ってのけるのが見せ場の噺をやってくれて、言い終わったところでペタンコになって「ふぅぅぅ」と息をついてニコッとしたり、噺の最中で急に「最近はいつも言ってんだ、今のうちだよ聴いとかないと死んじまうよ俺ァ」みたいなことを言ったりと、なかなか忘れがたい一席でした。自伝とありますが、いわゆる自伝よりはエッセイに近いかなと思いました。自伝より弟子たちにそれぞれ一章ずつ担当してもらって、師匠のことを書いてもらうとかの方が立川談志という希有な人物の在り様がわかるのかもしれません。そういう本があったら是非とも読みたいものです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ジンブツ
- 感想投稿日 : 2022年1月31日
- 読了日 : 2022年1月30日
- 本棚登録日 : 2022年1月30日
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