カエルの楽園 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2017年8月27日発売)
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感想 : 396
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現代日本をカエルの社会に風刺して書いた寓話。百田尚樹氏がこれまでの著書「大放言」や「戦争と平和」などで主張していることを、寓話にしてわかりやすくした感じ。
私はあんまり好きではないな。あまりにも戦後から現在にかけての日本人と日本の政治をバカにしすぎているというか。読んでいて気持ち良くない。・・・と思ってしまうのは、私が保守的だからだろうか?この本を読んで「そうだそうだ!百田尚樹よく言ってくれた!」と思う人もいるのだろうか。いるのだろうな、解説で櫻井よしこ氏がベタ褒めしてるのだから。
作中に出てくる平和主義のカエルのネーミングも、あまりにも人を馬鹿にしすぎている。「ハンドレッド」が百田氏本人であるとか、わかりやすいのもあったけど、よくわからないものもあったのでネット検索してみたところ、「プランタン」は村上春樹、スーアンコはやくみつるのことらしい。たしかやくみつるのことは他の著書でもかなりこき下ろしていたなぁ。
確かに百田氏の言う通り、「すべての国が平和主義を唱えれば世界は平和になる」なんて、まったく現実的ではない、というのはわかる。でも、そんな理想について語る人たちを、こんなにも堂々とバカにするのはどうかと思う。
この本売れてるし、(私はとっとと手放そうと思うけど)、みんなそんなに平和主義をバカにしてるのかな。いろいろ不安になってくるな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年8月8日
読了日 : 2021年8月8日
本棚登録日 : 2021年8月8日

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