カエルの楽園 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.69
  • (248)
  • (410)
  • (378)
  • (72)
  • (27)
本棚登録 : 4616
感想 : 394
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101201924

作品紹介・あらすじ

国を追われた二匹のアマガエルは、辛い放浪の末に夢の楽園にたどり着く。その国は「三戒」と呼ばれる戒律と、「謝りソング」という奇妙な歌によって守られていた。だが、南の沼に棲む凶暴なウシガエルの魔の手が迫り、楽園の本当の姿が明らかになる……。単行本刊行後、物語の内容を思わせる出来事が現実に起こり、一部では「予言書」とも言われた現代の寓話にして、国家の意味を問う警世の書。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 凄く良い作品。最後の櫻井よしこ氏の解説を含めての作品だと思う。何が正しいかは各個人が考えれば良いと思う。ただ「カエルの楽園(ナパージュ)」が滅びる(変わっていく)フェーズから、最後にローラが放つ言葉までを、日本が陥いる一つのケースとして、考える必要があると思った。自分は、本作品が描いた悲惨な将来になるとは考えが及んでいなかったが、十分あり得るケースだと思った。
    色んな人が読んで欲しい、とても良い作品だと思う。

  • 楽園を求めたびに出たアマガエル
    たどり着いたのは正に楽園のように平和な国
    その国には戒律(三戒)があり、それによって平和が保たれているという
    なぜ戒律で平和が保たれるのか疑問に思う主人公は、その後とんでもない事態に巻き込まれていく。
    メタファーが効きすぎて笑える物語だが、比喩の対象が対象なだけに本当は笑えない百田文学

  • 頂き本
    一気読みしました。
    百田さんは上手いですね。
    日本のことをなぞらえているのだと、分かって読み進めました。
    自分の主張がしっかりしている人には、本当に面白く、風刺的部分にニヤリとしてしまうのでしょう。
    私は、、、。
    本や絵画など、芸術に風刺はつきものでしょうが、私には毒が強すぎるかな?という印象かな。
    百田さんの作品は、風の中のマリア が好きです。

  • 百田尚樹『カエルの楽園』新潮文庫。

    久し振りに読む百田尚樹。何とあからさまな日本の国政批判的な小説を創作したものだ。面白いことは面白いが、内容については両手を挙げて共感できるものではなかった。一種の洗脳小説と言っても過言ではない。

    楽園のナパージュはジャパン、すなわち日本で、三戒は日本国憲法の第九条か。さすがに、ここまであからさまだと下品な感じがする。もう少しオブラートに包むなり、婉曲的な表現であれば、受け入れられる可能性があったかも知れない。

    平和を求め、ナパージュにたどり着いたアマガエルのソクラテスとロベルトは難民なのだろう。ヌマガエルは在日韓国人で、スチームボートがアメリカなんだろうな。

  • 寓話でとても読みやすいのだが、日本を取り囲む情勢のリアルが感じられてゾッとする作品だった。命よりも法を守ることが目的となり、反対意見が抑圧される様子は読んでいてもやもやした。真剣に日本のことを考えなきゃいけないと感じた。

  • 痛烈な寓話 と言うのは聞いてたケド……
    確かに!っと思う事も多々ある。
    しかし、この作品を読む層がこの本をバイブルにする様な事があってはやらないし、本質は各々が真剣に捉え 向き合う事【考える事】だと思ぅ。

    手遅れになる前に……

  • 夜中に読んで、背筋凍った。

    本当に平和ボケしてるんだなあ、、って思ったし政治のこときちんと考えなければいけない、って考えさせられた。

  • 書店に行ったときに、何か面白い本ないかなー?と見て回ってたらこの本が目についた。
    カエルが好きだからという単純な理由だけで購入したこの本。
    作者も何も関係なく、あらすじも読まず。
    いつ買ったかも覚えてない、積読エリアにいたやつ。
    楽園というからにはおもしろおかしい話と思い込んで。
    絵的にも、完全にジェレミーフィッシャーどんの頭で入ったのよ。


    でも読み進めてるうちに、ン?という違和感。
    だんだんと日本国内での問題や外交のことが連想される。


    社会情勢とか外交問題に疎くても、
    上記漢字の羅列とか、政治の難しい用語が苦手です、
    て無意識に拒否反応を起こしてた人でも(私)、
    「これって…?
    うちの国大丈夫かな、
    もうちょっと勉強しようかな」
    て思えたんだから、そういう意味でいい本と思った。
    何が正しくてなにが誤りかなんてその人の考え方次第で、
    世界でいえば悪からみれば善が悪みたいなもんだから
    何を信じるかは自分で判断するしかない。
    そしてその上でどう行動するか。


    なんとなく違和感を感じていて疑問を持ってはいるものの、その人たちの声は大きくなくて、いつも大きな声でしゃべる人たちにかき消されてしまう。
    そういうことって普段からよくあるよね。

  • 読み終わり幅広く(中学生から年配の方)多くの人に読んでもらいたいと痛感する、読み易くわかりやすい、現状と未来の本国が描かれている!櫻井よしこさんの解説を読んでもう一度読み返した、更に危機感を感じる。「日本国の本質を鋭く抉り出した名著である」:(櫻井さん談同感である)。登場カエルの設定も絶妙「ハンドレッド」になるほどと納得。

  • 他のカエルの侵略により、国を脱出して平和な世界を求めたカエルの寓話。
    スラスラと読める文体も相まってか、すぐに日本をモデルにし、憲法9条改正を題材にした物語だとわかる。

    憲法改正について知識が薄い私の目からすると、物語中盤からの、三戒賛成(護憲派)のカエルたちの卑下された表現が冗長に感じ、ラストを予想しやすい内容だと思った。(本書は推理小説ではないのでオチは重要ではないのかもしれないが)
    現在はコロナ禍で憲法改正より先にやる事があるという世論が多いようで、私自身は平和ボケな生活を疑問もなく当然の様に送っている。今、9条や平和について改めて考えさせてくれる大きなきっかけとなった。

全394件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

百田尚樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×