もりのなか (世界傑作絵本シリーズ)

  • 福音館書店 (1963年12月20日発売)
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感想 : 269
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「ぼく」は、紙の帽子をかぶり新しいラッパを持って森へ散歩に出かけました。
すると、昼寝をしていた大きなライオンが僕のラッパの音で目を覚まし、髪をとかしてついてきました。
次に、水浴びをしていた2匹の子象たちが、セーターや靴を着て加わりました。
2匹の大きな茶色のクマは、ピーナッツとジャムとお匙を持って、カンガルーの親子は、赤ちゃんをお腹の袋に入れてついてきました。
コウノトリや猿、ウサギも加わり、しばらく歩いた後、一休みしてジャムやお菓子を食べ、ハンカチ落としやロンドン橋をして遊びました。
最後にかくれんぼうをして僕が鬼になった時、「もういいかい!」と目を開けたら、動物たちは一匹もいなくなっていて、代わりに僕を探しに来たお父さんがいました。
お父さんが「もう遅いよ。家へ帰らなくっちゃ」と言うので、お父さんに肩車してもらって「さようならぁ。みんな待っててね。また今度散歩に来た時探すからね」と言って帰りました。


子どもたちが大好きな繰り返しの本。
「ぼく」の散歩に動物たちが次々に加わっていくが、その時の準備や話しかけ方がユニークである。
また、「準備する」という点に「よそゆき感」があり、僕との散歩が特別なものと感じさせる。
動物が増えていくに従って、散歩の列も長くなり、僕の世界も大きく広がっていく。

最後にかくれんぼうをした際、一人ぼっちになって目をつぶるが、この不安感の後、目の前に現れたのはお父さんで、冒険から現実の世界へ優しく連れて帰ってくれる役割を担っている。


モノクロの小さい地味な本ではあるが、子どもの本の専門店をされている方が、あるお父さんが、小さい頃この本をカラーだと思っていたと話されたと言われていました。
白黒だけに創造力を掻き立てる力が強いのでしょう。

古典の定番。おススメして間違いのない本です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本
感想投稿日 : 2017年2月6日
読了日 : 2014年8月30日
本棚登録日 : 2014年8月30日

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