何でも見てやろう (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1979年7月11日発売)
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こんなに各国ですぐに友達を作っちゃうなんて、どんだけ社交的やねん!


私が生まれる前の、世界。
今とは情勢も、日本の置かれている立場も異なるけれど、人間の文化の基本的なところとか考え方、物の見方なんかはあまり変わらないのかな。

この、1960年代は、各国で日本は人気だったとのことだが、今はどうなんだろう。
まぁたしかに、“日本ブーム”みたいなことは話には聞くから、まったく興味をなくされた、というわけでもないんだろうけど、日本に対する期待感みたいな、そういうものは薄らいでいるんじゃないかな。
何より、私も含め、日本人本人が、日本という国を心から誇れなくなってしまっているのではないかな。

アメリカの裕福さから、インドのかっこにくくられていない、貧困まで。
世界は、広い。広くて、多様。
そんな当たり前のことを、小田さんは身を持って目の当たりにした。

世界に対する好奇心の一方で、冷静な視点で各国を眺める。
その視野、考えは私にはまだ消化しきれてない感じもする。

ともあれ、どこへ行っても、どうしようもない人間や愛すべき人間はいるもんだなぁと、思わずプッと笑ながら読んでしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2012年3月5日
読了日 : 2012年3月5日
本棚登録日 : 2012年3月5日

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