小川洋子さんの
不思議ワールド満載の短編集でした。
●誘拐の女王 (ヘンリー・ダーガー)、
●散歩同盟会長への手紙 (ローベルト・ヴァルザー)
●カタツムリの銀婚式 (パトリシア・ハイスミス)
●臨時実験補助員 (放置手紙調査法)
●測量 (グレン・グールド)、
●手違い (ヴィヴィアン・マイヤー)
●肉詰めピーマンとマットレス (男子バレーボールアメリカ代表)
●若草クラブ (エリザベス・テイラー)
●さあ、いい子だ、おいで (世界最長のホットドッグ)
●十三人きょうだい (牧野富太郎)
どの作品も、その分野で異彩を放つ人々や
目立った事柄を題材にしています。
題材にしたものから、
小川さんが感じ取った世界観や人生を
巧みな文章で書かれていました。
どの作品も、少々いびつで歪んだ世界があらわされています。
それぞれの主人公の繊細な感情もしっかりと書かれ、
深みのある短編集となっていましたが、
10編はちょっと長いかな。
どれも読後感が物悲しい。
うっすらと恐怖を覚える作品もあります。
「肉詰めピーマンとマットレス」の親子愛や
「十三人きょうだい」の叔父さんとの交流のように
ほのぼのとした温かさを感じる作品もあり、
どれも、小川洋子さんの魅力が詰まっていると思います。
タイトルは
それぞれの短編の主人公のことをさしているのでしょうか。
私には、ちょっと高度な内容のお話しでした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年5月23日
- 読了日 : 2017年5月23日
- 本棚登録日 : 2017年5月23日
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