おもしろかった!

2024年5月9日

読書状況 読み終わった [2024年5月9日]
カテゴリ 新潮社

読書でこんなに衝撃を受ける経験ってそうそうないので、とてもいい小説を読んだなと思った。
今の時代、っていうのを感じた。悪い意味ではなくて、新しい価値観と言うか、見方を教えてもらった感覚。
100年とか500年とか後の人がこの本を読んだときに、よくあること、古典的な話だなぁ。とか思うのかな。私のこの衝撃は今の私のものだけって感じがする。

2023年9月26日

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読書状況 読み終わった [2023年9月26日]
カテゴリ 文藝春秋

解説までしっかりと面白かった。おもしろいなあと思って読んでいたけれど、そこまで人気だったなんて知らなかった。
知らないことが多いな。そして、それだけの人が読んでいた、ということもものすごく意味のあることだと思う。
奴隷制度が普通だと思う価値観ってどんな雰囲気なんだろう。時代の価値観って人間の道徳心よりも上回るものなんだ。
今の私が正しいと思っていることも、実際は正しくないのかもしれない。と思って読み進めていました。やっぱりおかしいってたくさんの人が思ってたんだって思ってよかった。
昔の人間も今の人間と地続きになっているって感じれてよかった。

トムがリグリーの暴力に耐えているシーンが、黒人が白人に対して無抵抗である事を肯定している!許せない! というような意見があったらしい。めちゃくちゃ驚いた。一番強い戦い方で反撃の方法だなあと感心して読んでいたので本当に驚いた。

2023年7月17日

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読書状況 読み終わった [2023年7月17日]

ものすごく面白かった。まさに現代訳、と言うような雰囲気の作品。すらすら読める。現代訳ってすげー! 他の訳を見たわけではないけれど。
思わず眉を顰めるような表現はあるけれど、それはその当時の価値観に対してで、一番最後にある差別を助長するためではないことは、読んでいてわかります。
逆にそういうところを修正すると、その時代のことが全く分からなくなってしまうので、こうして不快に思われるだろうなと思いながらでも、そのまま訳してほしい。
私のイメージでは犬猫を飼うイメージで、黒人を所有していたのかなとずっと思っていたので、こうした価値観のある人たちがその当時にもいたのかなと思うと嬉しくなるけれど、そういう人たちがいたからこそ、奴隷制度は過去のことになったんだろうなと思った。

2023年7月10日

読書状況 読み終わった [2023年7月10日]

キャラクターがめちゃくちゃ良かった。ストーリーは面白かったけど、ミステリー部分はもっと期待してしまっていた。
これだけ魅力的なキャラクターが描かれているのは好印象。記憶に残る人々。

2023年5月30日

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読書状況 読み終わった [2023年5月30日]
カテゴリ 講談社

ラストを読んで寒気がした。
登場人物全員の「生きたい」の気持ちの強さで迎えたラストだった。

追記:母に「絶対読んで!」と言って本を貸した。
公式のネタバレ専用解説ページで、読んだ人同士で話したい作品と書いてあって頷いた。
私はこの読後に引きずり込みたい、同じ地獄を味わえという気持ちで母に貸したのだが、これは完全にバナナフィッシュを母にすすめた時と同じ感情で笑ってしまった。

追記2:「怖い……」と言って本を帰してきた。
「心臓キュッってなった?」「なった……」

2023年5月22日

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読書状況 読み終わった [2023年5月22日]
カテゴリ 講談社

人生はクイズという話だった。誰かが『正解!』って言ってくれない辛さを、この本を読んで気が付いてしまった感じ。でも自分で正解だ! って自分で勝手に思ってれば人生は勝つと思う。気持ちの面だけの話で。

クイズはその人の人生によって答えが出される。
思い出や感情と共に答えが浮かび上がるのが人間だなあって思う。そういうことあるよね、という事が、クイズをする人にとってとてつもない量とスピードなんだなと思い知った。
終わり方が少し残念に思ったのは、感情移入していたからだろうなあ。一緒に追ってたような気分だったから。
残念に思ったのは感情としてそう思っただけで、お話としては文句なしで面白かったです。

2023年5月20日

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読書状況 読み終わった [2023年5月20日]
カテゴリ 朝日出版社

昔、アメトークの読書芸人で紹介されてからずっと気になっていて、やっと読めた。
人間は自分で思うよりも動物。話す猿。愚かな二足歩行のサピエンス。客観的にこんな風に語られたら、呆れもするけど、どこか愛しく思う。動物はやっぱりどこか愛嬌がある。もし神がいるとするのなら私達は愛嬌があって愛らしく見えるのかな。

2023年5月3日

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読書状況 読み終わった [2023年5月3日]
カテゴリ 河出書房新社

魔王の帰還大好き。

2023年4月13日

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読書状況 読み終わった [2023年4月13日]
カテゴリ 講談社

「光のとこにいてね」
言葉を知らない子供の、純度百パーセントのアイラブユーの言葉に涙があふれた。
このタイトルの意味が愛しているだとはまったく思ってなかったので意表を突かれた。

二人の夫は、二人をそれぞれ物理的に、社会的に、祖母から助けたけど、二人は表に見えない、誰にも気づかれない自分の内部を助けて、助けられた関係だった。

きっと皆、相手に「光のとこにいてね」って思いながら生きている。
光のとこにいる人を見ていると、自分も光のとこにいるような気がする。

2023年4月9日

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読書状況 読み終わった [2023年4月9日]
カテゴリ 文藝春秋

とても個人的な感想を一言で言うと、一番最初と最後を見たらいいかな、というもの。
濃厚な満州の描写、情報。重すぎる本に肩が凝ってしまった。
最後の参考文献の多さに脱帽。だからこそ濃いんだという証左にもなっている。

建物の意義について、確かになと思う。けれど、社会に存在するものだから、お金とか権利とか諸々で崩れていくのも仕方がない。それも人間のせいだから。
もっとSF要素を期待して読み始めたので、そういう人には疲れてしまう本かもしれない。でも面白かったです。
でも、もう少し登場人物を絞ったほうが個人的にはよかったかなと思います。感情移入できる数は限られているので。
登場人物の感情がどうなのかがとても気になるので、街とか、時代には心は砕けない。

2023年3月23日

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読書状況 読み終わった [2023年3月23日]
カテゴリ 集英社

読んですぐに、これは私の母と父の話だと思った。
なので、ラストに何の驚きもなかった。ずーっと疑い続けているのは、貴方の目が濁っているせいだろうとずっと思っていた。
見えてる世界が違いすぎる。次の日にけろっとすることの強さが分からない傲慢な人たち。
次の日にも悪い感情を引きずることが回りに、子供にどういう影響を与えるのか分かっていない人たち。
悲しいときに悲しんでないと怪しむ人こそが、本当の悲しみを知らないのではないのではないか。
個人的に父に対する苛立ちを再確認した本だった。

2023年3月7日

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読書状況 読み終わった [2023年3月7日]
カテゴリ 文藝春秋

とても読みやすい本でした。

2023年2月26日

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読書状況 読み終わった [2023年2月26日]
カテゴリ 朝日出版社

エピローグを読んで震えた。
色んな愛の形がある。
でも、お父さんのはダメ、誰かを悲しませている。
別にどうでもいい近所の人とかならいいけど、家族だから。
大事な人が認めてくれたならそれでいい。


星を見るように離れた相手を見守り続けた二人の話。
近くにいても反発しあう親子愛、遠くにいて捨てきれない思いを引きずる異性愛。

一番つらかったのは尚人のシーン。
鬱の人が辛いのは分かるけれど、その人に寄り添う人の辛さが描かれていた。
鬱の人も辛くて悲しいと言う気持ちが伝わらないと思っているだろうけれど、それは向こうも同じ。
鬱の人に寄り添う人の気持ちが全然伝わらないのが悲しい。
どうしてうまく伝わらないんだろう。そんなつもりじゃなかったのに。
頑張れって言葉も、大丈夫って言葉も、相手を責めたい言葉なんかじゃないのに。
気持ちが伝わるかということがとても重要なんだということが改めて分かった。恋愛にしても鬱の人に対しても何に対しても、気持ちを通じ合わせるって難しい。
皆、悪い方にばかり考えてすれ違ってしまう。だから皆愛しく思えるのかもしれない。

2023年1月12日

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読書状況 読み終わった [2023年1月12日]
カテゴリ 講談社

娘のまま母になってしまった人のお話。

2022年12月14日

読書状況 読み終わった [2022年12月14日]
カテゴリ 新潮社

まずいまずいまずい、と、途中のあのシーンで呟いていた。
だめだめだめ、と思いながら読み進めていたら案の定。
辛いなぁ。救いと絶望がしっかりと絡まりあったラストだった。

2022年12月4日

読書状況 読み終わった [2022年12月4日]
カテゴリ 新潮文庫

最後のお話、お父さんが同じ失敗を繰り返しているだけな気がする……
子育ての大変さを理解しない、共感できてない男が二人出てきてたなぁ。

2022年12月1日

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読書状況 読み終わった [2022年12月1日]
カテゴリ 文藝春秋

信用鳴らない語り部たちの中で、唯一の真実はユリコは怪物的に美しいと言う事だけ。
その事実を中心に回転していた、女の黒い感情を煮詰めた作品。

2022年11月28日

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読書状況 読み終わった [2022年11月28日]
カテゴリ 文春文庫

赤と青のエスキースにまつわるお話。
「赤と青」の「エスキース」だった。
最初、レイ、とブーという名前に少しの疑問を抱きながら読んでいたけど、なるほど、と最後読み終わり、エピローグでさらに唸った。
エスキースは印のようなものだった。二人の愛がそこにあると言う印。読み取れなかった。その絵の前にいる人たちの赤と青に夢中になってて。
閉経した茜と、青髭が薄くなった蒼。ここが二人の女性性と男性性が薄まって、ただの人間として向かい合っている雰囲気が良かった。男女だからではなく、一つの魂が重なり合ってる。
エスキースが二人の手元から離れたのは、赤と青は女性的、男性的色のシンボルだからかなと思った。若さを失った象徴でもあるのだろうけれど。
真っ白なただの人間と成った二人が、これからのせる色は何色なんだろう。

ものすごく共感したのは、ジャックが茜の表情が変わるところを見るシーン。
本当に、恋をしている人の表情は見て分かるし、すごいものを見たなって思った。ずっと心の中に残るくらい鮮烈な表情をするんだよね。その人の感情が伝播して熱くなる。

2022年11月6日

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読書状況 読み終わった [2022年11月6日]
カテゴリ PHP研究所

見事に騙された。
作品のテーマが一貫してていい。登場人物全員、いや、人間の底にある自分は悪くないと言う欲の描き方が見事。
主人公から警察から大学生から、自分は悪くない。
自分が悪いのではと疑っている人は、世界を見る目も広い。

ラストシーンの台詞が良かった。謝罪し、自分とは違う人間に、自分とは違う知識や経験などを知りたいという姿勢。
時代が、というよりも、人間として成長する上で、こういう姿勢にならなければならないと改めて思った。

奥さんの孤独に寄り添わない夫に対して、最終的に慰めようとしてくれていたと言う解釈は、個人的には納得できない。
夫婦は共感し合わなければあっという間に瓦解する。

奥さんの視野が内省したことで変化しただけで、その時の夫の寄り添わなかった事実は変わらない。
私は悪くない。という考えを捨てたら、世界が変わったことなんだろうなと思う。
あの時まで、奥さんの中で寄り添わなかった夫の姿は鮮明だったと思う。
自分の見方を変えなくちゃいけないな、とまた思う。

2022年11月4日

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読書状況 読み終わった [2022年11月4日]
カテゴリ 双葉社

読み終わるのがもったいないと思いながら読み進めた。けれど、予想していた以上の盛り上がりはなかった。臓器売買の人たちの日常というような雰囲気。でも満足。
バルミロの本懐を見たかったし、もう少しコシモと絡むのかと思っていたけど、そこは残念。
この世界観のお話がまた読みたい。続編というかシリーズものにならなってほしい。

2022年10月27日

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読書状況 読み終わった [2022年10月27日]
カテゴリ KADOKAWA

弱いが故に強い人のお話。

清廉潔白な人間でいる事にとても価値があって、それに対して文句を言われても、自分が自分を擁護できるならばいい人生だと、個人的に思う。

強い人が弱い人に嫌悪感を出すのは、強い人なりの弱さを出せないことが原因だと思う。強い自分だからこそ、自分に強くなってしまう。
弱い人は弱い自分を、弱い人として見るから寛容だけれど、強い人はどこまでも厳しい。

押尾さんが最後、嘘もつかずに本音で話したのが答えだと思った。
偏頭痛があるんです、辛いですってもっと最初から言えればもっと変わってた。

自分に厳しくすると人にも厳しくなって、幸せになれないんじゃないかと、実生活でも思う。
相手の弱さを受け入れると、自分の弱さも受け入れられる。
最後に勝ったのは芦川さんだしね。
強い人が苦しんでいるのは、大体自分自身のせいだと個人的に思う。考え方を変えれば自分が変わって、周りも変わっていくのに。

2022年10月23日

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読書状況 読み終わった [2022年10月23日]
カテゴリ 講談社

孤独に生きるのと、怯えて生きるのは違う。
全く持ってその通り。

2022年10月2日

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読書状況 読み終わった [2022年10月2日]
カテゴリ 早川書房

人生は明けない夜がずっと続いているのかもしれない。
助けを求める勇気(というか概念が)なかった人のお話。
人とのつながりが希薄になっていると言われる現代では、一番難しいかもしれない。
助ける方も、最後まで責任持たないといけないと、真面目に背負いこんでしまう。
だからこそ、社会が積極的に助けていかないといけない。
あんべたくま。

2022年9月27日

読書状況 読み終わった [2022年9月27日]
カテゴリ 新潮社
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