屍者の帝国

  • 河出書房新社 (2012年8月24日発売)
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本棚登録 : 3392
感想 : 441
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伊藤計劃の絶筆を円城塔が引き継いだ魂の小説。
ワトソン、ヴァン・ヘルシング、007、カラマーゾフ兄弟・・・
フランケンシュタインの怪物を土台に様々な物語のキャラクターが登場し交錯する物語は、それそのものがバラバラなものから縫い合わされたフランケンシュタインの怪物のようである。
伊藤計劃のプロローグから円城塔の本章へと移行する場面は成程彼らしい。「言葉」とせめぎ合う本文も円城。しかし随所に仕込まれるエンターテイメントは伊藤の面影がある。
このプロローグは各所で拝見できるものだが、読む都度、伊藤計劃が最期に屍を扱い自己の存在を問うたのには迫力さえ感じる。叶わぬ事だが、彼のイメージしたクライマックスはどうだったのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2012年11月2日
読了日 : 2012年11月2日
本棚登録日 : 2012年10月27日

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