ローマ人の物語 (7) 悪名高き皇帝たち

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  • 新潮社 (1998年9月1日発売)
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感想 : 31

アウグストゥスの後を継いだ4人、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、そしてネロのお話。
これが「ある程度歳取ってて、地味だけど確実に成果を上げる人」と「若くて目新しいことを色々やるのだけど結果は無茶苦茶な人」が交互に皇帝になってるのが面白い。
そして後者は結局暗殺されたり自死に追い込まれたりしてるのが帝政のイメージとちと違うところ。

でもまあ、興味深いのはやっぱりネロ。
ローマ帝国のことを特に知らなくてもネロの名前は「暴君」の接頭辞で知ってる人が多いはず。
でも、後世にまで「暴君」として名が残っているのは、「キリスト教を(最初に)迫害したから」では?と示唆する内容、と言ってよかろう。
ネロより多くの血を流させた指導者はたくさんいたのだし。
それはタイトルの「悪名高き」という表現にも現れていると思う。悪名は高いけど、愚帝とか暴君とかは書いてないのよね。
(9)のタイトルが「賢帝の世紀」なのと対称的。
…ま、もちろん、塩野女史の解釈を受け入れるならば、ということなのだけど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2019年3月7日
読了日 : 2005年7月26日
本棚登録日 : 2019年3月7日

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