USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

著者 :
  • KADOKAWA (2016年4月23日発売)
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おすすめされて購入し、積読となっていた一冊です。

マーケターである著者が進路を考える娘から「マーケティングって何?どんなことをするの?なんでそれを知ってると成功できるの?教えて、教えてー」と言われ、「うーん、大事な質問だからちゃんと答えたいな。わかりやすい本を探しておくから、ちょっと待ってて」。

そして探すも見つからない...
マーケター向けに書かれたガチンコの本はあるが...

マーケティングを知らない人に向けて書かれた、マーケティングの根本を理解してもらうためのわかりやすい本がない。

なら、自分で書いちゃえって感じで出来上がったのが本書です。

従って、初心者の私にもわかりやすい☆

マーケターになろうとしている訳ではありませんが、知ってて損しないというか、知れば得ばかり。

そんな内容が盛り沢山でした。

以下、備忘録として抜粋。

「会社組織におけるマーケティングの役割」
①会社がマーケティングに期待するのは主に「トップライン(売上)」を伸ばすこと。
②マーケティングは売上を伸ばすための会社の「頭脳」であり「心臓」である。
③ビジネスの結果を左右する衝くべき焦点を「ビジネス・ドライバー」という。
④マーケティングの最初にすべき最重要な仕事は、「どう戦うか」の前に「どこで戦うか」を正しく見極めること→会社の「頭脳」。
⑤消費者視点の会社(Consumer Driven Company)になれば、自ブランドの価値を上げて業績を好転させることができる。
⑥自然状態としての会社組織は、会社の利害と個人や部門の利害は必ずしも一致しないので、消費者視点で全社を統一させて機能させることは容易ではない。
⑦マーケティングは消費者理解の専門家として、消費者価値を最大化させる最善策を部門や個人の利害を超越して主張し、実現へ向けて牽引しなければならない→会社の「心臓」。

「日本のほとんどの企業はマーケティングができていない」
①日本の多くの製造業が不振に陥っている原因は、技術志向に偏りすぎ、マーケティングを軽視してきたことにある。
②TVCMの唯一の目的は自社のビジネスを伸ばすことだが、日本企業のTVCMはその使命を果たせていないものが多い。
③日本企業の多くのマーケティング部は、マーケティングを知らないし、マーケティングをしていない。
④日本の多くの企業が、マーケティングのキャリアを伸ばすような構造ではない。
⑤マーケティングは、米国で生まれて米国の自由主義経済によって育てられた、企業が競争に生き残るための実戦学である。
⑥日本での発達が遅れた主な理由は、日本の技術志向、規制による競争阻害、終身雇用制などの事情によると考えられる。
⑦マーケティング発展途上国である日本が競争激化時代に突入したことで、今後マーケティング需要はますます高まるであろう。

「マーケティングの本質とは何か?」
①マーケティングができる人のことをマーケターという。
②マーケティングは「売れるようにする=売れる仕組みを作る」こと。
③顧客が法人(会社)の場合は「B to Bマーケティング」、顧客が個人(消費者)の場合は「B to Cマーケティング」と呼ぶ。
④「売れる仕組み」は消費者とブランドの接点をコントロールして作る。主なものは「消費者の頭の中を制する」、「店頭を制する」、「商品の使用体験を制する」の3つ。
⑤消費者の頭の中を制するには、自ブランドの「認知率」を高め、選ばれる必然になるような「ブランド・エクイティー」を意図的に構築する(=ブランディング)。
⑥店頭を制するためには、消費者が自ブランドを購入する可能性を最大化させるように「配荷率」、「山積率」、「価格」などの展開に注意しなくてはいけない。
⑦商品の使用体験を制するには、消費者価値を上げる商品開発をマーケティングがリードしなくてはいけない。
⑧マーケターは「パーチェス・フロー」を使って目的達成への必要条件を導き出し、まるで流れの悪い川の治水工事をするように流れを堰き止めているビジネス・ドライバーを改善して広げていく。

「戦略を学ぼう」
①戦略(Strategy)とは、目的を達成するための資源配分の選択のこと。
②戦略が必要な理由は、達成すべき目的があり、常に資源が足りないから。
③代表的な経営資源は6つ(カネ、ヒト、モノ、情報、時間、知的財産)。
④最も大切な経営資源は「ヒト」、唯一6つの経営資源を使いこなせるから。
⑤戦略(TacticあるいはExecution)とは、戦略を実行する具体的なプランのこと。
⑥戦略的に考えるとは、目的→戦略→戦術の順に沿って大きいところから考えること。
⑦戦略と戦術の階層(レイヤー)がわからなくなったら、もう一度しっかりと「目的を」を確認する。
⑧戦略の方が戦術よりも重要な理由は、大きな戦略的ミスは戦術ではリカバリーできないから。しかし戦術が弱くても目的は達成できないので、戦術の詰めは極めて重要。
⑨戦略の良し悪しのモノサシの4Sチェックとは、Selective(選択的か?)、Sufficient(十分か?)、Sustainable(継続可能か?)、Synchronized(整合性はあるか?)。
⑩素晴らしい戦略は、相手と自分の特徴の違いを自分に有利に活用できている。

「マーケティング・フレームワークを学ぼう」
①マーケティング・フレームワークとは、必ず「戦況分析→目的→WHO→WHAT→HOW」の順番で考えていく「型」のこと。
②戦況分析で市場構造を理解してそれを味方につける。代表的な5C分析とは、Company
(自社)、Consumer(消費者)、Customer(中間顧客)、Competitor(競合)、Community(ビジネス環境)の5つの理解。
③目的設定は不可能ではない実現性あるギリギリの高さを狙う。シンプルであることが重要で魅力的であれば理想的。
④WHOとは、経営資源を投下する目標(ターゲット)である消費者。おおきなくくりを「戦略ターゲット」、特に集中投資するくくりを「コアターゲット」と呼ぶ。
⑤ターゲットの設定は、目的に対して小さすぎないようにする。
⑥「消費者インサイト」とは、消費者の深層心理に隠された真実のこと。それを指摘することで消費者の認識や感情を大きく動かし、購買意欲を掻き立てることができる。
⑦WHATとは、ブランド・エクイティーの中で消費者がブランドを買う根源的な理由、ベネフィット(商品便益)のこと。
⑧ポジショニングとは、消費者の頭の中でブランドの相対的な位置づけのこと。自社ブランドのエクイティーを動かすことで相手を動かすことができるし、逆もありえる。
⑨HOWとは、WHATをWHOに届ける仕掛けのこと。主にProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通・配荷)、Promotion(販売促進)の4つがあり、4Pと呼ばれる。
⑩WHO、WHAT、HOWがうまく揃えばビジネスは爆発する。



説明
内容紹介
USJはなぜ勝ち続けるのか? ビジネスを劇的に変える勝率97%の思考法

2015年10月には過去最高の月間175万人を集客し、USJの3倍の商圏人口に陣取る東京ディズニーランドをも超えて、単月ではありますがついに集客数日本一のテーマパークになることもできました。<中略>USJはなぜ復活し、大成功をおさめることができたのか? なぜ次から次へと新しいアイデアが出てきて、なぜやることなすこと上手くいくようになったのか? その秘密は、たった1つのことに集約されます。USJは、「マーケティング」を重視する企業になって、劇的に変わったのです。(「プロローグ」より)

★読者が選ぶビジネス書グランプリ2017 マネジメント部門1位
★第44回ビジネスブックマラソン大賞受賞
★MONOQLO 最強ビジネス書ランキング3位
内容(「BOOK」データベースより)
新規事業成功率が、30%から97%へ!USJの着眼点。
著者について
●森岡 毅:1972年生まれ、兵庫県出身。神戸大学経営学部卒。96年、P&G入社。日本ヴィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネージャー、ウエラジャパン副代表などを経て、2010年にユー・エス・ジェイ入社。革新的なアイデアを次々投入し、窮地にあったユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させる。12年より同社チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)、執行役員、マーケティング本部長。著書に『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』『確率思考の戦略論』(ともにKADOKAWA)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
森岡/毅
1972年、兵庫県出身。神戸大学経営学部卒。96年、P&G入社。日本ヴィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネージャー、ウエラジャパン副代表などを経て、2010年にユー・エス・ジェイ入社。革新的なアイデアを次々投入し、窮地にあったユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させる。12年より同社チーフ・マーケティング・オフィサー、執行役員、マーケティング本部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年9月3日
読了日 : 2022年9月3日
本棚登録日 : 2022年4月8日

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