アンマーとぼくら

著者 :
  • 講談社 (2016年7月20日発売)
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本棚登録 : 3755
感想 : 519
4

有川先生の作品は4冊目の読了。

ずっと読みたかった一冊ですが、気づけば第一刷発行から間もなく5年も経とうとしていました。

沖縄を舞台にした心温まる物語、個人的にも沖縄は大好きなところで状況が許されるようになればすぐにでも再訪したい土地です。

そんな作品の主人公はリョウ(最後に坂本竜馬が名前だと明かされる)。

北海道で育ったリョウは最愛の母を早くに亡くし、母の死を受け入れる前に父の再婚を機に沖縄へ移り住む。

そこから始まる義母(おかあさん)も含めた3人の新たな生活に幼きリョウは戸惑いながら暮らしていきます。

本作はそんな幼少期のリョウと32歳となり東京で暮らすリョウがおかあさんの為に久々に泊まりで帰省した3日間の2つの視点で描かれています。

そして父をも亡くし、物語の最後ではおかあさんをも失くしてしまう。

悲しい物語でもあるはずなのに、心温まる作品との印象が深いのは登場人物一人一人の温かさが滲み出ているからだろう。

コバルトブルー。ターコイズブルー。エメラルドグリーン。沖の藍色。陰影をつけるリーフ。一転して、暗く沈んで灰色に泡立つ海。伸び上がる大鯨に化けもの鯨。そしてまた一転、青。青。青。あらゆる階調の、青。そして、沖に戯れる、幾頭もの、竜。

全ての観光地をまわった訳ではありませんが、次は
そんな海がゆっくり感じられるように離島の海辺にてゆっくり読書を楽しみたい。



説明
内容紹介
休暇で沖縄に帰ってきたリョウは、親孝行のため「おかあさん」と3日間島内を観光する。一人目の「お母さん」はリョウが子どもの頃に亡くなり、再婚した父も逝ってしまった。観光を続けるうち、リョウは何かがおかしいことに気がつく。かりゆし58の名曲「アンマ―」に着想を得た、書き下ろし感動長編。
著者について
有川 浩
高知県生まれ。2004年10月、第10回電撃小説大賞 <大賞> を『塩の街』で受賞しデビュー。同作と『空の中』『海の底』を含めた「自衛隊三部作」、アニメ化・映画化された「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『植物図鑑』『三匹のおっさん』『ヒア・カムズ・ザサン』『空飛ぶ広報室』『旅猫リポート』『県庁おもてなし課』『明日の子供たち』『だれもが知ってる小さな国』など著作多数。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年6月16日
読了日 : 2021年6月16日
本棚登録日 : 2021年5月23日

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