世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2011年5月22日発売)
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本棚登録 : 979
感想 : 113
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内容(「BOOK」データベースより)
「食べるために動物を殺すことをかわいそうと思ったり、屠畜に従事する人を残酷と感じるのは、日本だけなの?他の国は違うなら、彼らと私たちでは何がどう違うの?」アメリカ、インド、エジプト、チェコ、モンゴル、バリ、韓国、東京、沖縄。世界の屠畜現場を徹底取材!いつも「肉」を食べているのに、なぜか考えない「肉になるまで」の営み。そこはとても面白い世界だった。イラストルポルタージュの傑作、遂に文庫化。

肉が好きです。特に焼肉が大好き。出来る事なら毎日食べたい。カルビにホルモンにタン。どれもこれも家畜とお肉にしてくれるひとが居て初めて成立する事です。でもそこはかとなく流れる屠畜への蔑視。それが世界共通なのか日本だけのものなのか。とことん潜入取材をしている稀有な本だと思います。「飼い喰い」を先に読みましたがその手前にある世界の屠畜事情のルポです。自分自身目の当りにしたらきっとしばらく肉食えなくなるであろう光景のオンパレードですが、屠畜蔑視ではなく逆に尊敬してしまいます。速やかに裁かれで美味しく安全なお肉として皆の食卓に上るその大変さ。その為に変化進化してきた食肉業界。未だに結婚差別や就職差別があると言います。そういう人は肉食わないのかと声を大きくして言いたい。おちょぼ口でかわいそうなどと言いながら肉を口に運ぶ人々。自分の手を汚さないままに批判だけで恩恵を享受する人がどれだけ多いことか。
と、堅い話はあるものの、実際世界中のお肉の現場をイラスト付きで解説する本書は、興味津々で是非読んでいただきたいです。読み終わった時にはパックのお肉の手前の姿が思い浮かぶはず。それをありがたく思いながら今日もおいしく頂きましょう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年2月10日
読了日 : 2018年2月9日
本棚登録日 : 2017年12月14日

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