名前は知ってるけど内容は知らない本を減らそうキャンペーン第3弾。
どちらかというと名前は知ってるけど作品を読んだことのない有名作家を減らそうキャンペーンの方が正しいのかもしれません。
かの有名な三島由紀夫が、自身で作品を厳選した珠玉の短編集。
少年の倦怠を16歳で書き上げた『花ざかりの森』をはじめとして、著者のその後の作品における主題の指針となった『中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜萃』や、鮮烈な愛を描いた『憂国』など全13編を収録。
13編入ってこの値段は安いんじゃないでしょうか。
個人的に『憂国』の凄まじさに圧倒されてしまい、他の12編がどうこうと言えなくなってしまいました。
男女の交わり然り、心中然り、その情景がいやでも脳裏に浮かぶような見事な描写で書き連ねられており、ストーリーの重厚さも手伝って息が詰まるほどです。
全作品に言えることですが、作者の語彙力が半端ではないです。
お決まりの定型文ではなく、その場その空気にぴったりとはまり込む言葉がすらすらと出てきます。
天才とはこういうものなのかと心底感じる作品でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学小説
- 感想投稿日 : 2014年7月7日
- 読了日 : 2014年7月7日
- 本棚登録日 : 2014年5月8日
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