恥辱 (ハヤカワepi文庫 ク 5-1)

  • 早川書房 (2007年7月15日発売)
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本棚登録 : 828
感想 : 96
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読みやすくはあるが、扱う主題は難しい。
都会で教授をしている二度の離婚経験のあるおじさんが、性欲を抑えきれず教え子に手を出して、職を追われ、田舎の娘のところに行き着き、そこから展開していくストーリー。
南アフリカの白人と黒人の間のわだかまり、治安の悪さ、強姦などといった時代背景がある中、娘とは事件後でも仲良くはあるが、意見は全く食い違う。

相手の意見を聞かずに、自分の意見を通し、辞職に追い込まれ、その後娘に自分の意見を通そうとする。かつて物を教える立場であったように。

一度だけでは本の一部分しか理解には及ばない自分の読解力の無さを嘆きたくなるが、ブッカー賞受賞作なだけあり、読み応えはある。

男たちに強姦され、妊娠までさせられるのに、警察などには一切言わず、その土地に溶け込もうとする娘。覚悟の上で、生き抜こうとする様は、か弱い人私にとってこの父親のように、理解に苦しむ。

人生何が起こるかわからない。そして何を起こすかわからない。ただ、現実を受け止め、何を教訓としていくか。難しい……。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2019年7月23日
読了日 : 2019年7月23日
本棚登録日 : 2019年7月23日

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