どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1999年5月14日発売)
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本棚登録 : 23238
感想 : 1806
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これぞ推理小説 男か女、どっちが犯人? シンプルかつ濃厚な謎を解き明かせ! #どちらかが彼女を殺した

警察官である主人公の妹が殺害された。自ら鉄槌を下すため、警察に任せるのではなく、独自の現場検証と証拠を隠滅する。主人公は犯人として二人の目星をつけて追い詰めるが、最後まで真相は判明しない。果たしてどちらが妹を殺したのか。加賀恭一郎シリーズ第三弾。

大変挑戦的な作品です。
名作をいくつも生み出している素晴らしい作家ですが、初期の作品では結構思い切ったトリックやオチを使いますよね。発売当時を知らないんですが世間の評価はどうだったんでしょうか。

自分としては大いにアリだと思います、かなり楽しめました。
謎解き要素もしっかりできていますし、何度もページをもどって伏線を追いかけました。袋とじのヒントも読者の心をくすぐられますね。

ただ本書の魅力が犯人あてだけにフォーカスされてしまうのがちょっと残念。
シンプルながらも話の構成や、加賀恭一郎の事件への関わりや名推理など、狂言回し具合がお見事です。文章もいつものとおり大衆的で超読みやすいので、ミステリーが初めての人にも面白みを理解してもらえる作品ではないかと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本格ミステリー
感想投稿日 : 2022年3月30日
読了日 : 2022年3月28日
本棚登録日 : 2022年3月28日

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