中学生の時に、読書感想文を書くために読んで、感動したことをよく覚えていて、たまたま本棚に置いてあったので、また手に取ってみました。
このお話は、吃音でうまく話すことのできない村内先生が、非常勤講師として、学校を転々とし、生徒と出会う話です。
村内先生は、話すことがうまくないから、「たいせつなこと」だけを話す。
作者があとがきで言っているように、ヒーローとしては無力で、不恰好かもしれないけど、でもかっこいいなと思います。別に、熱血なわけでもない。村内先生自身が最後まで生徒の問題を解決するわけじゃない。ただ、生徒のそばにいて、「たいせつなこと」だけを話して、生徒に道を示す…じゃないけど、生徒が自身の道を見つける…見つけさせるのは、すごいと思いました。
また、「間に合う」という言葉がいいです!
私も小学生時代、吃音で自分の伝えたいことを伝えられず、口開けばからかわれると思って、あまり発言できる子供じゃありませんでした。今ではもうほぼ治って、たくさん話すことができますが、以前は病院にも通っていましたが、そう簡単に治ることもなく、とても苦しかったことは忘れません。
村内先生は、自分が吃音でも、そういう自分だからこそ救える生徒がいる。待ってる。と思っていて、教師という発言の多い職業を選んで、すごい勇気だと思いました。
きっと現実では村内先生みたいな先生はいないかもしれない。でも、どこかにいたらいいなと思えました。
また、表紙の何気無く上に書いてある英文がいいです。
My teacher cannot speak well.
So when he speaks,
he says something important.
重松清さんの作品は、どの作品にも言えることですが、飾ってなく自然に入ってくるのが、とてもいいです!また読みたいと思います。
- 感想投稿日 : 2014年8月29日
- 読了日 : 2014年8月29日
- 本棚登録日 : 2014年7月29日
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