人質の朗読会

著者 :
  • 中央公論新社 (2011年2月1日発売)
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感想 : 659
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小川洋子さんの作品は、『博士の愛した数式』以来でした。

反政府ゲリラにより異国で人質にされた日本人が一人ずつ、自分の人生の最も印象的な部分を小説にし、朗読会をするお話。

序章で終わりが示されているからこそ、年齢も性別も職業も異なる人達の人生の1ページがささやかにも輝いて映る。

「やまびこビスケット」。
こういう、二人だけの秘密のコミュニケーションっていいな。
ビスケット工場で労働していたのが最終的にはパティシエになっていてすごい。

「B談話室」。
世の中にはマニアックな会合がたくさんあるよな。。と妙に納得。

「冬眠中のヤマネ」。
全く売れない手作りの動物のぬいぐるみを売るおじいさんが何だか切ない。
ビスケットにしてもこの話にしても博士の愛した数式にしても、
小川さんは愛すべき変な老人を書くのが得意なのだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年8月17日
読了日 : 2014年8月17日
本棚登録日 : 2014年8月17日

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