テイルズ オブ ゼスティリア - PS3

  • バンダイナムコエンターテインメント
2.80
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感想 : 16
2

総プレイ時間 80時間程度(主に寝落ちの為、実際は半分以下)
LV62でクリア。
☆は、とても甘めで1.5かなあ。

一体どこから語ればいいのか分からない位、今回は改善点が多すぎて、プレイしてる間「早く終わらないかな…」って思ってました。テイルズではこんなの初めてかもしれません。

ヒロイン詐称に関しては、例えばグレイセスのソフィのようにヒロインではないけどちゃんとメインキャラであれば問題はなかったと思います。
ですが、実際ふたを開けてみれば、スポット参戦のみ(しかも本当に短期間)、離脱する理由もかなり見ていて納得しづらい。必要性を感じない。
それがアリーシャ自身の夢の為にどうしても進まねばいけない道で、それゆえにスレイと道は違えどもいつかまた交わるときも来るだろう、だからそれまで頑張るよ。でしたらよかったのに、もうあれは(力がない上に、導師の重荷扱いだから)厄介払いとしか思えませんでした。

離脱後も、サブクエで彼女を見る機会はありましたが、遠くから見ているだけで、つらい立場にいて泣きたくなる時にすら声すらかけられない。
しまいには、遠くから駄目出ししている始末。
例えその内容が彼女の改善点として正論だったとしても、陰で大人数でこそこそ言ってるだけじゃただの陰口にしか見えませんでした…。
そういう意味では彼女の事を想っていたのはマルトランじゃないのかなって思いました。
確かに憑魔で、利用するために近づいたのかもしれませんが、それだけでは一緒にいた時間は長すぎると私も思いますし、彼女が最後に告げた言葉の真意は「置いていく弟子はとても心が優しくて人を信じやすい、でもこれから生きていく場所はそんな優しい人間にはとてもきつい政治の場所だから、再び自分のような人間に騙されないように」っていうのもあったんじゃないのかなって。

その後加入したロゼに対して「真の仲間」発言もまたその気持ちを加速させる要因でした。
つまり、力さえあればその人物の人間性はどうでもいいと。
いつ、ロゼの独善的な判断でスレイの命が奪われるかもしれないのに(実際ロゼは、「あんただって悪だと思ったらやるよ」と仲間になった後にも言ってます)
テーマに道徳性があるそうですが、これが道徳性なのかと疑問に思いました。
そこからの、罪を犯している自覚がないよ!でも穢れていない、ロゼさんすごい!すばらしい!の絶賛が意味が分からず。
ヴェスペリアのユーリのように、自分の犯している罪をきちんと理解した上でそれでも覚悟を決めたのならばまだ違う受け止め方が出来たかもしれませんが、無自覚とても怖いです。
その刃がいつ主人公に向かうか、はらはらどきどきです。
またロゼと同じように、命を奪うことをおかしいと感じない、寧ろ救いだと思っている司祭と対峙した際、「そんなの怪物だ!」とロゼは言っておりますが、それはそっくりそのまま自分に跳ね返ってくると思うんです。
でも、彼女自身罪を犯している自覚がないから、鏡のような存在を見ても、そういう言葉が出たのかもしれません。
自覚がないって怖いなと思いました。
レディレイクの子供関連のチャットで、自分の行動の責任はちゃんととらないといけない、だからそれを無自覚で分かってるロゼはすごいって絶賛してるけど、責任取ってたっけと。
罪を犯してる自覚もないのに、責任取れてるってどういうことなのかも分からず。
それからも続く理由のわからないロゼよいしょと、主役を食うレベルのセリフ量と出番に、最初は嫌いじゃなかったのに、段々苦手になって、最後には申し訳ないですが嫌いになりました。
段々、これはロゼが主役なの?と首を傾げてしまうレベルでした。
終盤ではついにミクリオまでもが「ロゼの方が、僕よりスレイの事を分かっているのかもしれない…」と言い出して、そんなバカなことあるわけないだろ!?と画面に向かってツッコミを入れてしまいました。

今作のライターさんは、とても安易に命を扱いすぎで、そうすれば悲劇になって盛り上がるでしょ?と言わんばかりに、メインキャラであろうがさくさくやるのでとても精神的にきつかったです。
盛り上がるどころか盛り下がる上にやる気まで削がれます。
デゼルの件は、人数調整の為の厄介払いにしか見えず。
(戦闘システム上の制限からくるものかもしれませんが、キャラの命を奪ってまでやる必要はないと思います)
折角、スレイ達と一緒に旅をすることで、心の変化が見え始めていた時だったのに。
いつものテイルズなら、スレイが命がけで止めていたと思うくらい、こじつけの無理矢理展開にしか見えず、終始ぽかーんとしてました。
最後は笑顔でしたが、私には誤解したままっぽいし、誰も疫病神云々、自分が力を与えたせいの辺りに関しては否定してあげていないから誤解したままじゃないのかと心配になるし、正直お涙頂戴物のような感動的なシーンのように演出してたけど、すっごいうわっつらだけでぜんっぜん伝わってくるものがなかったのが、違う意味で泣けました。
その後同じ風属性のザビーダが仲間になったので、属性かぶりからくる排除なのかと勘繰りたくなる位には説得力のない衝撃シーンでした。

ライラさんは、最後の最後まで真相を語ってはくれなかったので(誓約の為とはいえ、本当に一切語らない上に、それを聞くのがだめみたいな雰囲気が当たり前なのも、それこそおかしいような気がします)私には最後の最後までスレイはそれでいいのだろうかと思ってました。
全て彼女の思惑通りに事が進んでいくので、ラスボスが実はライラさんでも驚かないなと(違いますが)
スレイ自身の目で見て、触れて、確かめて、そして答えを出してくださいと、彼女は言いましたが、実際は彼女が見せたいものを見せ、彼女が触れてほしい物だけ触れて、都合の悪い物は「導師が介入すると~」と言われて遠ざけられるので、スレイはそれでいいのかとry
彼女が過去を憂う理由もいまいち分からないので、どういう人物なのかもよく分からず、あからさまな話のそらし方もあいまって、仲間と認識することが出来ず、私はどうにも好きにはなれませんでした。

エドナはとても可愛かったのですが、いかんせん一部のキャラよいしょに時間を割きすぎなのか、あまり活躍の場がなく、印象が薄くなってしまったのが残念でした。
彼女がスレイの度についてきた理由である「お兄さん」の件も、メインストーリーでは結局そのまま放置なのも残念です…。

旅をしているなあ!楽しいな!って思ったのが、序盤の方だけですね。
最初の遺跡でスレイとミクリオの探検はわくわくしたし、アリーシャが危ないと知り村を飛び出した辺りまでは王道RPGで楽しかったです。

今作で重要なキーワードである「穢れ」に関してもそうですが、いまいち説明がなく、淡々と「そういうもの」として話が進んでいくことが多かった気がします。
なんにせよ矛盾と説明不足がひどすぎる。
終盤のスレイの決意も、もっと苦悩とか葛藤が見たかった。
とても良い子なのだけど、あまりにも物わかりがよすぎて心配になってしまいます。
こんな時くらい年相応の我がまま言ってもいいのに。
でもそういうリアルな感情は全く表現されず、ただ淡々と話が進むのみなので、気持ちは盛り上がるどころか更に盛り下がりました。
個人的には、ミクリオには「それでも『(幼馴染の)僕は』嫌だ」くらい言ってほしかったなあ…。
同じようにみんなの期待を一身に受けて一生懸命応えようとして悲しい結末を迎えた人が沢山いて、それを見てきたのに、みんな(無意識かもしれないけど)それと同じように導師に期待して。
だからこそ、こんな時くらい幼馴染だけは別視点から言葉をかけてあげてほしかった。
幼馴染だからこそ、性格を分かった上で信じて尊重したのかもしれないけれども……。
すごく重要なシーンなのに「わかった」で終わっちゃうのがさびしい。長年連れ添った幼馴染だからこその、何も言わずとも伝わったっていうのを表したかったのだとしても!そこは!!熱い展開を!!!お願いしたいよ!!!!!と、当時ツイッターにぶつけまくってました。
このライターさんの主人公に犠牲を求めて、周りはそれに納得してる図式がとても苦手です(エクシリア2トラウマ)

スレイに関しては、彼の感情的な面があんまり見えないって言うか、いい意味でも悪い意味でもとてもいい子すぎて、もっと本音見たいって言うか 熱くなってる場面があんまりないっていうか。
いまいち彼自身の本当の夢の為に歩いてるように感じなかったような…。途中からすり替わってしまった気がしました。というか世界の為とか導師としてじゃなくて、スレイ自身の夢っていうか……。彼自身はよく、相手の夢を尊重して、その道を進むことを望むけど、すれい自身は本当にそれでいいのかなあ。どう思ってるのか分かりにくかったというか、彼の気持ちよりも周りの気持ちを尊重し過ぎてないかなあっていうか。俺はこうしたい!こうなりたい!っていう熱い物が感じられなかったかなって。
エンディングは、まさかの衝撃シーンで、スレイが出した答えは救いたいだったけど、そういう意味の救いじゃなかった気がしていたので、本当にそれでいいのかなあって、ぽかーんとしてしまいました。
最後のムービーで無事幼馴染が約束通り再会できたことだけが幸いです。

戦闘システムは、制限が多すぎて楽しくなかったです。
カメラアングルが悪いので手前に主人公が来ると透明になってしまい自分がどこにいるのか分からない。
強敵と当たると気付いたら……とかあるある。
シームレスなので、フィールドに障害物が多くて狭い。
人間+天族1セット制にしたから、パーティ編成に自由度がない上に、人間2人は固定なので好きにパーティが組めない。
特技はボタンにすでにセットされており固定されていて、各々でカスタマイズ不可(奥義は歴代と同様好きなボタンに割り振れる)
ボス戦は神依で連打ゲー。戦略もくそもない。
2人とも神依してしまうと、実質2人で戦わないといけないので、相手にする敵の数が多いとかなりつらい。
秘奥義がとても地味。
種類に関わらず、状態異常になるとHP回復出来ない。
味方AIがとてもあれな行動ばかりで、回復しても回復しても微量なHPのまま敵に突撃→撃沈の流れがつらい。
最終的には、放置して、ひたすら神依水で遠くからちまちま攻撃して、ひとりで倒す方が早かった(割り切ってからはアイテムを使わなくても勝てるようになりました)
あえてよかったところを述べるなら、神依の際、技が進むたびに、スレイと天族の声が段々重なっていくところが格好良かったことです。

私にとっては幼馴染コンビだけが唯一の癒しで、最後まで支えでした。やってよかったなと思える要素はこれと、一部のBGMでした(特に神殿はみんな良曲)
騒動の火に油を注いだDLCもまたロゼ推しのようなので、私にとってのゼスティリアプレイはこれにて終了となりそうです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: RPG
感想投稿日 : 2015年2月6日
読了日 : 2015年2月6日
本棚登録日 : 2015年2月6日

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